1級土木施工管理技士 過去問
平成28年度 択一式
問48 (選択問題 問48)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

1級土木施工管理技士試験 平成28年度 択一式 問48(選択問題 問48) (訂正依頼・報告はこちら)

小口径管推進工法の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • オーガ方式は、粘性土地盤では、推進中に先導体ヘッド部に土が付着し、先端抵抗力が急増する場合があるため、カッタヘッド部の開口率の調整が必要である。
  • 圧入方式は、誘導管圧入後の推進管推進時には、粘性土地盤ではカッタの回転を止めたときにスリットより土砂が流入する場合があるので、スリットの開口率を調整する必要がある。
  • ボーリング方式は、先導体前面が開放しているので、地下水位以下の砂質土地盤に対しては、補助工法により地盤の安定処理を行う必要がある。
  • 泥水方式は、透水性の高い緩い地盤に適用する場合、泥水圧が有効に切羽に作用しない場合があるので、切羽の安定をはかるため送泥水の粘性を高くするなどの対策が必要である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

適当でないものは「圧入方式は、誘導管圧入後の推進管推進時には、粘性土地盤ではカッタの回転を止めたときにスリットより土砂が流入する場合があるので、スリットの開口率を調整する必要がある。」です。

選択肢1. オーガ方式は、粘性土地盤では、推進中に先導体ヘッド部に土が付着し、先端抵抗力が急増する場合があるため、カッタヘッド部の開口率の調整が必要である。

設問の通りです。オーガ方式は、先導体内にオーガヘッドおよびスクリュコンベヤを装着し、この回転により掘削排土を行いながら推進管の推進を行う方式であり、遠隔方向制御装置を設け、方向修正を行います。

選択肢2. 圧入方式は、誘導管圧入後の推進管推進時には、粘性土地盤ではカッタの回転を止めたときにスリットより土砂が流入する場合があるので、スリットの開口率を調整する必要がある。

誤りです。砂質土の場合の方が、粘性土の場合よりも土砂流入する可能性が高くなります。

選択肢3. ボーリング方式は、先導体前面が開放しているので、地下水位以下の砂質土地盤に対しては、補助工法により地盤の安定処理を行う必要がある。

設問の通りです。山留めの変位抑制という効果もあるため、山留め工法に合わせて補助広報の必要性について検討します。

選択肢4. 泥水方式は、透水性の高い緩い地盤に適用する場合、泥水圧が有効に切羽に作用しない場合があるので、切羽の安定をはかるため送泥水の粘性を高くするなどの対策が必要である。

設問の通りです。泥水方式は推進管の先端に泥水式先導体を装着し、切羽安定のため泥水を送り、カッターの回転により掘削を行い、掘削した土砂は泥水と混合しスラリー状の掘削土砂を流体輸送して、地上の泥水処理施設で土砂と泥水に分離する方式です。

参考になった数22

02

「小口径管推進工法の施工」に関する問題です。

設問にそれぞれ出てくる工法はおさえておきましょう。

選択肢1. オーガ方式は、粘性土地盤では、推進中に先導体ヘッド部に土が付着し、先端抵抗力が急増する場合があるため、カッタヘッド部の開口率の調整が必要である。

適当です。

 本文の通りです。

選択肢2. 圧入方式は、誘導管圧入後の推進管推進時には、粘性土地盤ではカッタの回転を止めたときにスリットより土砂が流入する場合があるので、スリットの開口率を調整する必要がある。

適当ではありません。

 「粘性土地盤では」とあります。

 土砂が流入しやすいのは砂質土のほうなので、この本文は誤っています。

選択肢3. ボーリング方式は、先導体前面が開放しているので、地下水位以下の砂質土地盤に対しては、補助工法により地盤の安定処理を行う必要がある。

適当です。

 本文の通りです。

選択肢4. 泥水方式は、透水性の高い緩い地盤に適用する場合、泥水圧が有効に切羽に作用しない場合があるので、切羽の安定をはかるため送泥水の粘性を高くするなどの対策が必要である。

適当です。

 本文の通りです。切羽の安定=送泥水の粘性を高くです。 

参考になった数12

03

適当でないのは、圧入方式の説明です。圧入方式は先導管(パイロット管)を押し込んで方向誘導し、その後に本管を追従させるタイプで、記述にあるようなカッタの回転やスリット開口率の調整を前提とする工法ではありません。

選択肢1. オーガ方式は、粘性土地盤では、推進中に先導体ヘッド部に土が付着し、先端抵抗力が急増する場合があるため、カッタヘッド部の開口率の調整が必要である。

粘性土ではヘッドに土が付着して抵抗が急増しやすいです。そのためカッタヘッドの開口率調整や切削土の排土性を高める工夫が必要になります。妥当な説明です。

選択肢2. 圧入方式は、誘導管圧入後の推進管推進時には、粘性土地盤ではカッタの回転を止めたときにスリットより土砂が流入する場合があるので、スリットの開口率を調整する必要がある。

圧入方式は誘導管(先導管)を圧入して通りを確保し、その後本管を推進します。基本は押し込み主体で、ここで述べるようなカッタの回転停止によるスリットからの土砂流入スリット開口率の調整土圧式やオーガ式の内容です。したがってこの説明は不適切です。

選択肢3. ボーリング方式は、先導体前面が開放しているので、地下水位以下の砂質土地盤に対しては、補助工法により地盤の安定処理を行う必要がある。

先導体前面が開放のため、地下水位以下の砂質土では湧水・流入で切羽不安定になりやすいです。よって薬液注入や地盤改良などの補助工法で安定化を図る必要があります。適切な内容です。

選択肢4. 泥水方式は、透水性の高い緩い地盤に適用する場合、泥水圧が有効に切羽に作用しない場合があるので、切羽の安定をはかるため送泥水の粘性を高くするなどの対策が必要である。

透水性の高い緩い地盤では泥水圧が切羽に効きにくいことがあります。泥水の粘性や比重を上げるなどで泥膜形成(フィルターケーキ)を促し、切羽を安定させます。適切な内容です。

まとめ

小口径管推進では、工法ごとの仕組みと弱点を押さえることが大切です。
オーガ方式は粘性土での付着対策、ボーリング方式は地下水下での補助工法、泥水方式は泥水性状調整が要点です。圧入方式に“回転カッタのスリット調整”を当てはめるのは誤りで、工法の特徴の取り違えに注意します。

参考になった数0