1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問52 (問題A ユニットc 問32)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問52(問題A ユニットc 問32) (訂正依頼・報告はこちら)

下水道管渠の更生工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 反転工法は、硬化性樹脂を含浸させた材料や熱可塑性樹脂で形成した材料をマンホールから引き込み、加圧し、拡張及び圧着後、硬化や冷却固化することで更生管渠を構築する。
  • 形成工法は、既設管渠内に硬質塩化ビニル樹脂材等をかん合し、その樹脂パイプと既設管渠との間隙にモルタル等の充塡材を注入することで更生管渠を構築する。
  • さや管工法は、既設管渠より小さな管径で工場製作された二次製品を牽引挿入し、間隙にモルタル等の充塡材を注入することで更生管渠を構築する。
  • 製管工法は、熱で硬化する樹脂を含浸させた材料をマンホールから既設管渠内に加圧しながら挿入し、加圧状態のまま樹脂が硬化することで更生管渠を構築する。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題で適当な記述は、さや管工法について説明している選択肢です。
さや管工法は、既設管より少し小さい新しい管を中に入れ、そのすき間にモルタルなどを詰める工法で、この説明と一致します。
他の選択肢は、工法の名前と内容の組合せがずれている点が問題です。

選択肢1. 反転工法は、硬化性樹脂を含浸させた材料や熱可塑性樹脂で形成した材料をマンホールから引き込み、加圧し、拡張及び圧着後、硬化や冷却固化することで更生管渠を構築する。

この説明は適当ではありません。
反転工法は、チューブ状の材料を「反転させながら」既設管の中に押し込んでいく工法です。水圧や空気圧でチューブの先端を裏返しながら進ませ、内面に密着させてから硬化させます。
この記述では「引き込む」としていて、「反転させる」という特徴が書かれていないため、反転工法の説明として不十分です。

選択肢2. 形成工法は、既設管渠内に硬質塩化ビニル樹脂材等をかん合し、その樹脂パイプと既設管渠との間隙にモルタル等の充塡材を注入することで更生管渠を構築する。

この説明は、工場製作したパイプまたは現場で組み立てるパイプを入れて、すき間にモルタルを詰めるタイプの工法の内容です。
しかし、一般に「形成工法」と呼ばれるものは、既設管の中で材料を成形して新しい管をつくるイメージの工法で、この文章は名称との対応があいまいです。
用語と内容が対応していないため、適当ではない選択肢です。

選択肢3. さや管工法は、既設管渠より小さな管径で工場製作された二次製品を牽引挿入し、間隙にモルタル等の充塡材を注入することで更生管渠を構築する。

これは適切な記述です。
さや管工法は、
既設管より少し小さい新しい管(さや管)を中に引き込む
・そのあとで、既設管と新しい管のすき間にモルタルなどを注入して固定・補強する
という流れの工法です。
 

選択肢4. 製管工法は、熱で硬化する樹脂を含浸させた材料をマンホールから既設管渠内に加圧しながら挿入し、加圧状態のまま樹脂が硬化することで更生管渠を構築する。

この説明は、熱硬化性樹脂を含ませたチューブを押し込んで硬化させるタイプの工法で、どちらかというと反転工法や引き込み工法に近い内容です。
一般に製管工法と呼ばれるのは、
帯状の樹脂材料などを既設管の中で巻き立てて「管をつくる(製管する)」、その後、必要に応じてすき間に充填材を入れて仕上げる
といった工法です。
この選択肢は、製管工法の特徴である「巻き立てて管をつくる」という要素がなく、別の工法の説明になっているため不適当です。

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