1級土木施工管理技士過去問
令和7年度
問54 (問題A ユニットc 問34)

問題文

下水道における、薬液注入工事の施工管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

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問題

1級土木施工管理技士試験令和7年度問54（問題A ユニットc 問34）（訂正依頼・報告はこちら）

下水道における、薬液注入工事の施工管理に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

薬液注入工事においては、注入箇所から20m以内に複数の地下水監視のために井戸を設置して、注入中のみならず注入後も一定期間、地下水を監視する義務がある。
薬液の注入量が500kL以上の大型の工事では、水ガラスの原料タンクと調合槽との間に流量積算計の設置が義務付けられているので、これにより水ガラスの使用量を確認する。
薬液注入工事における25m以上の大深度の削孔では、ダブルパッカー工法のパーカッションドリルによる削孔よりも、二重管ストレーナー工法の方が削孔の精度は低い。
材料の調合に使用する水は原則として水道水を使用するものとし、水道水が使用できない時は、水質基準のpHが5.8〜8.6の範囲内にある水を使用することが望ましい。

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この問題で適当でない記述は、「注入箇所から20m以内に地下水監視井戸を設置する」としている選択肢です。実際の基準では、地下水監視の採水地点は注入箇所からおおむね10m以内に数か所設けるとされているため、距離の数字が合っていません。

選択肢1. 薬液注入工事においては、注入箇所から20m以内に複数の地下水監視のために井戸を設置して、注入中のみならず注入後も一定期間、地下水を監視する義務がある。

地下水や公共用水域の水質が汚れないように、薬液注入工事では周辺の地下水を監視することが求められます。
下水道の仕様書などでは、地下水の採水地点について、注入箇所からおおむね10m以内に、少なくとも数か所設ける

とされています。

監視自体が義務的に行われる点はよいのですが、「20m」という数字が不適当です。

選択肢2. 薬液の注入量が500kL以上の大型の工事では、水ガラスの原料タンクと調合槽との間に流量積算計の設置が義務付けられているので、これにより水ガラスの使用量を確認する。

適切な記述です。

薬液の使用量をきちんと管理するため、大規模な薬液注入工事（注入量が500kL以上）では、プラントのタンクからミキサー（調合槽）までの間に流量積算計を設置することとされています。この流量積算計を使うことで、水ガラスなど薬液材料の日使用量や総使用量を定量的に管理できます。

選択肢3. 薬液注入工事における25m以上の大深度の削孔では、ダブルパッカー工法のパーカッションドリルによる削孔よりも、二重管ストレーナー工法の方が削孔の精度は低い。

適切な記述です。

薬液注入工事では、25m以上の深い位置まで削孔する場合があります。
二重管ストレーナー工法とダブルパッカー工法にはそれぞれ特徴がありますが、試験では

・大深度の削孔では、ダブルパッカー工法のパーカッションドリルによる削孔の方が高い精度を確保しやすい

・二重管ストレーナー工法は、条件によっては施工が難しい場合もある

という考え方が前提になっています。

選択肢4. 材料の調合に使用する水は原則として水道水を使用するものとし、水道水が使用できない時は、水質基準のpHが5.8〜8.6の範囲内にある水を使用することが望ましい。

適切な記述です。

薬液の調合に使う水は、薬液の反応や地盤への影響に関わるので、水質の管理が重要です。

原則として水道水を使用する。水道水が使用できない場合は、水質基準のpHが5.8〜8.6の範囲内の水を使うことが望ましい

とされています。これは、水道水や飲料水のpH基準（5.8以上8.6以下）と同じ考え方です。環境省+1

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