1級土木施工管理技士 過去問
令和8年度
問53 (専門土木 問33)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和8年度 問53(専門土木 問33) (訂正依頼・報告はこちら)

小口径管推進工法の施工に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • オーガ式は、粘性土地盤では推進中に先端抵抗力が急増する場合があるので、注水により切羽部の土を軟弱にする等の対策が必要である。
  • ボーリング式は、先導体前面が開放しているので、地下水位以下の砂質地盤に対しては、補助工法により地盤の安定処理を行った上で適用する。
  • 圧入式は、排土しないで土を推進管周囲へ圧密させて推進するため、適用地盤の土質に留意すると同時に、推進路線に近接する既設建造物に対する影響にも注意する。
  • 泥水式は、透水性の低く固い地盤では、泥水圧が有効に切羽に作用しない場合があるので、送泥水の比重、粘性を高くし、状況によっては逸泥防止材を使用する。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では小口径管推進工法が問われています。
各工法の原理や施工条件が正しく述べられているか、他の工法の記載がされていないかなどを見極める必要があります。
それでは問題を見てみましょう。

選択肢1. オーガ式は、粘性土地盤では推進中に先端抵抗力が急増する場合があるので、注水により切羽部の土を軟弱にする等の対策が必要である。

オーガ式の説明は記載の通りです。
オーガ式は、粘着力の大きい粘性土地盤で土がスクリューなどに付着することで先端抵抗力が急増するおそれがありますが、
注水により切羽部の土を軟弱にする等の対策が必要となります。

選択肢2. ボーリング式は、先導体前面が開放しているので、地下水位以下の砂質地盤に対しては、補助工法により地盤の安定処理を行った上で適用する。

ボーリング式の説明は記載の通りです。
ボーリング式は、先導体前面が開放しており、地下水位以下の砂質地盤に対して切羽が崩壊する恐れがあります。
このため、補助工法により地盤の安定処理が必要となります。

選択肢3. 圧入式は、排土しないで土を推進管周囲へ圧密させて推進するため、適用地盤の土質に留意すると同時に、推進路線に近接する既設建造物に対する影響にも注意する。

圧入式の説明は記載の通りです。
圧入式は、掘削土を排出せずに推進管周囲へ圧密させて推進しますが、砂礫地盤などでは圧密が期待できないため、適用する土質に留意が必要となります。
また地盤を押し広げるため、近接する既存構造物への影響にも注意が必要です。

選択肢4. 泥水式は、透水性の低く固い地盤では、泥水圧が有効に切羽に作用しない場合があるので、送泥水の比重、粘性を高くし、状況によっては逸泥防止材を使用する。

泥水式の説明は適用する地盤の条件が誤りです。
泥水式は、砂礫地盤などの透水性が高い地盤において泥水圧が有効に作用しない場合があります。
送泥水の比重や粘性を高くし、状況によっては逸泥防止材を使用します。
透水性の低い地盤はむしろ泥水圧が有効に切羽に作用します。

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02

この問題では、小口径推進工法における各工法の特徴や地盤への適用性が問われています。 

それぞれの排土メカニズムや、地盤条件(砂質土・透水性・地下水など)に応じた施工上の留意点が正しく記述されているかを見極める必要があります。 

それでは問題を見てみましょう。

選択肢1. オーガ式は、粘性土地盤では推進中に先端抵抗力が急増する場合があるので、注水により切羽部の土を軟弱にする等の対策が必要である。

記載の通りです。

オーガ掘削式の推進工法において、粘性土地盤を掘削・推進する際は、切羽付近で粘土がオーガスクリューや掘削頭部に付着して「目詰まり(付着現象)」を起こしたり、圧密されてカッタ等の移動・回転を阻害したりするため、推進中に先端抵抗力が急増することがあります。

選択肢2. ボーリング式は、先導体前面が開放しているので、地下水位以下の砂質地盤に対しては、補助工法により地盤の安定処理を行った上で適用する。

記載の通りです。

地下水位以下の砂質地盤では、切羽から地下水の湧出や砂の崩落・ボイリングが発生しやすくなります。そのため、薬液注入などの補助工法(地盤改良)によって地盤を安定・止水させた上で適用する必要があります。

選択肢3. 圧入式は、排土しないで土を推進管周囲へ圧密させて推進するため、適用地盤の土質に留意すると同時に、推進路線に近接する既設建造物に対する影響にも注意する。

記載の通りです。

周囲の土を締め固めて押し広げるスペース(間隙)が必要なため、圧縮されにくい硬質地盤や大口径管への適用には限界があり、土質の留意が必要です。

選択肢4. 泥水式は、透水性の低く固い地盤では、泥水圧が有効に切羽に作用しない場合があるので、送泥水の比重、粘性を高くし、状況によっては逸泥防止材を使用する。

「透水性の低く固い地盤」ではなく「透水性の高く粗い地盤(礫質土・粗砂など)」であるため、誤りです。

隙間が大きい透水性の高い地盤では泥水が逃げてしまい(逸泥)、切羽保持に必要な泥水圧が逃げてしまうため、比重・粘性を高めるなどの対策を行います。

まとめ

小口径推進工法は、掘削・排土のメカニズム(泥水・オーガ・ボーリング・圧密など)によって適用できる地盤条件や施工上の注意点が大きく異なります。
 試験では「地盤の透水性と泥水の保持」「地下水対策(補助工法)」「排土の有無と周面への影響」などの組み合わせを入れ替えた誤り選択肢が多く出題されるため、各工法の特徴と地盤の性質をセットで整理しておきましょう。

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