1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問4 (問題A ユニットa 問4)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問4(問題A ユニットa 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

下図は引張力と引張応力との関係を表しているが、(ア)のように直径Dの部材の両端に軸に沿って離れ合う向きの一対の外力Pが作用しているとき、(イ)のように部材の軸に沿って引張力が生じることとなる。この場合(ウ)のように断面に生じる、引張応力σtを表す次の式のうち、正しいものはどれか。
問題文の画像
  • σt=4P/πD
  • σt=P/πD
  • σt=4P/πD2
  • σt=P/πD2

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では、直径Dの丸棒に引張力Pが作用したときの引張応力σtを求めます。
正しい式はσt=4P/πD²です。
理由は、応力は「力÷断面積」で求め、丸断面の面積がA=πD²/4となるからです。

選択肢1. σt=4P/πD

分母がπDになっていて、Dが2乗されていません。
引張応力は

引張力:P

丸断面の面積:A=πD²/4

を使って、
σt=P/A=P/(πD²/4)=4P/πD²
となります。

面積にはが入るので、Dが1乗のこの式は間違いです。

選択肢2. σt=P/πD

こちらも分母がπDで、Dが2乗されていません。
さらに、PをそのままπDで割っているだけなので、「力÷面積」の形にもなっていません。
単位を考えても、

力P:N(ニュートン)

応力σt:N/mm²

であるべきところ、分母のDが1乗だと次元(単位)のつじつまが合いません。
したがって、この式も不適当です。

選択肢3. σt=4P/πD2

引張応力は
σt=力P÷断面積A
で求めます。

丸棒の断面は円なので、

直径:D

半径:D/2

より、断面積は
A=π(D/2)²=πD²/4
です。

したがって、
σt=P/A=P/(πD²/4)=4P/πD²
となります。

この式は「力÷面積」の形になっており、Dも2乗で入っているので、引張応力σtの式として正しいです。

選択肢4. σt=P/πD2

分母にπD²が入っているので、見た目は「力÷(長さ²)」の形になっていますが、
丸断面の面積A=πD²/4を使っていない点が問題です。

正しくは
σt=P/(πD²/4)
なので、分母のπD²に、4が掛かった形(4P/πD²)にならなければいけません。
この式だと、応力の値が本来の4分の1になってしまいます。

まとめ

このように、「応力=力÷面積」と「円の面積=π×半径²」の2つをしっかりセットで覚えておくと、他の断面(長方形やリング状など)の応力計算にも応用しやすくなります。

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