1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問7 (問題A ユニットb 問2)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問7(問題A ユニットb 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

道路盛土等の材料として現場発生土を使用する場合の、留意点に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 盛土の安定や沈下等が問題となる材料は、障害が生じにくい法面表層部、緑地等に使用する。
  • 高含水比の材料は、できるだけ厚く敷き均して急速に脱水を促進させた後、ばっ気乾燥を行うか、処理材を混合調整し使用する。
  • 安定が懸念される材料は、盛土法面勾配の変更や排水処理等の対策を講じるか、セメントや石灰による安定処理を行って使用する。
  • 透水性の良い砂質土等の材料は、排水材料に使用し、岩塊や礫質土は、排水処理と安定性向上等のため、法尻に使用する。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でない記述は、高含水比の材料の扱いについて述べている文です。
高含水比の土は、薄く広げて乾燥させるのが基本であり、「できるだけ厚く敷き均して急速に脱水させる」という考え方は逆になってしまいます。

 

選択肢1. 盛土の安定や沈下等が問題となる材料は、障害が生じにくい法面表層部、緑地等に使用する。

盛土の内部や基礎近くに、軟弱で沈下しやすい材料を使うと、沈下やすべりの原因になります。
そのため、このような材料は、構造的な要求が小さい法面の表層部や緑地などに限定して使う、という考え方は妥当です。

・重要部(盛土の中核部分・路床付近)には使わない
・影響が小さい表層や緑地に回す

という方針なので、この記述は適切です。

選択肢2. 高含水比の材料は、できるだけ厚く敷き均して急速に脱水を促進させた後、ばっ気乾燥を行うか、処理材を混合調整し使用する。

含水比の高い土は、そのままでは締固めがうまくいかず、強度も出ません。
そのため通常は、

・できるだけ薄く敷き均える
・表面積を大きくして、自然乾燥やばっ気乾燥を促進する
・必要に応じてセメントや石灰などの安定処理材を混合する

といった方法をとります。

この選択肢では「できるだけ厚く敷き均して急速に脱水を促進」となっており、厚く敷くほど水は抜けにくく、脱水はむしろ遅くなります。
 

選択肢3. 安定が懸念される材料は、盛土法面勾配の変更や排水処理等の対策を講じるか、セメントや石灰による安定処理を行って使用する。

安定性に不安がある材料を使う場合は、

・盛土の法面勾配をゆるくする
・排水処理を行って、間隙水圧や地下水位を下げる
・セメントや石灰で安定処理して強度や変形特性を改善する

といった対策を組み合わせて使用します。

記述されている内容は、対策の方向性として一般的であり、盛土の安定確保の方法として適切です。

選択肢4. 透水性の良い砂質土等の材料は、排水材料に使用し、岩塊や礫質土は、排水処理と安定性向上等のため、法尻に使用する。

砂質土など水を通しやすい材料は、盛土内部の排水層として使うことで、水が溜まりにくい構造にできます。
また、岩塊や礫質土は、

・重くて安定しやすい
・隙間から水が流れやすい

という特徴があるため、法尻部に配置すると、排水の確保と盛土のすべり防止の両方に役立ちます。

したがって、この記述も適切です。

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