1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問10 (問題A ユニットb 問5)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問10(問題A ユニットb 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

軟弱地盤対策工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • サンドマット工法は、透水性の高い砂を用いた砂柱を地盤中に鉛直に造成することにより、水平方向の排水距離を短くして圧密を促進し、地盤の強度増加を図る工法である。
  • サンドコンパクションパイル工法は、地盤内に鋼管を貫入して管内に砂等を投入し、振動により締め固めた砂杭を地中に造成する工法で、液状化防止及び水平抵抗の増大等を図る工法である。
  • 表層混合処理工法は、表面に一定の厚さの砂を敷設することで、軟弱層の圧密のための上部排水の促進と施工機械のトラフィカビリティーの確保を図る工法である。
  • 高圧噴射攪拌工法は、原位置の軟弱土とセメント系固化材とを攪拌翼を用いて強制的に攪拌混合することで強固な柱体状等の安定処理土を形成し、すべり抵抗の増加、液状化防止等を図る工法である。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当なのは、サンドコンパクションパイル工法の説明をしている選択肢です。
鋼管を地盤に貫入し、その中に砂を入れて振動締固めして砂杭をつくり、地盤の密度を高めて液状化防止や水平抵抗の向上を図る工法だからです。

選択肢1. サンドマット工法は、透水性の高い砂を用いた砂柱を地盤中に鉛直に造成することにより、水平方向の排水距離を短くして圧密を促進し、地盤の強度増加を図る工法である。

この説明は、実際にはサンドドレーン工法(サンドコンパクションパイルとは別)の内容に近いです。

サンドマット工法
地表面に水平な砂層(マット)を敷く工法です。
目的は
・上向き排水のための排水層の確保
・施工機械が走れる作業床の確保
などです。

一方、この記述では
「砂柱を地盤中に鉛直に造成」「水平方向の排水距離を短くする」
とあり、これは鉛直方向の砂杭(サンドドレーン)を打設する工法の説明です。

したがって、この記述はサンドマット工法の説明として不適当です。

選択肢2. サンドコンパクションパイル工法は、地盤内に鋼管を貫入して管内に砂等を投入し、振動により締め固めた砂杭を地中に造成する工法で、液状化防止及び水平抵抗の増大等を図る工法である。

サンドコンパクションパイル工法(SCP工法)の説明と合っています。

・鋼管(ケーシングパイプ)を地盤に貫入
・管内に砂を投入
・バイブロハンマ等で振動・締固めを行い、地中に砂杭(サンドパイル)を形成

この結果として、

緩い砂地盤を締め固めて密度を高める

地盤を「原地盤+砂杭」の複合地盤にして、
液状化防止
支持力や水平抵抗の向上
を図ります。

説明内容と工法の目的が一致しているので、この選択肢が適当です。

選択肢3. 表層混合処理工法は、表面に一定の厚さの砂を敷設することで、軟弱層の圧密のための上部排水の促進と施工機械のトラフィカビリティーの確保を図る工法である。

ここで書かれている内容は、サンドマット工法の説明です。

表層混合処理工法は、
・地表面から浅い範囲の軟弱土に対して
・セメント系固化材を散布し
撹拌機(ミキシングヘッド)で土と混合して
・強度を高めた改良層をつくる工法です。

それに対して、この選択肢では
「砂を敷設」「上部排水の促進」「トラフィカビリティー確保」
となっており、これは砂のマットを敷く工法=サンドマット工法の特徴です。

したがって、表層混合処理工法の説明としては不適当です。

選択肢4. 高圧噴射攪拌工法は、原位置の軟弱土とセメント系固化材とを攪拌翼を用いて強制的に攪拌混合することで強固な柱体状等の安定処理土を形成し、すべり抵抗の増加、液状化防止等を図る工法である。

ここで問題になるのは、施工の方法です。

高圧噴射攪拌工法(ジェットグラウト工法)は、
・ノズルからセメントミルク等を高圧ジェットで噴射
・その勢いで原位置の土を切削・撹拌しながら固化材と混合
・柱体状や塊状の改良体をつくる工法です。

ところが、この選択肢では
「攪拌翼を用いて強制的に攪拌混合」と書かれています。
これは深層混合処理工法の説明に合う表現です。深層混合処理工法では、撹拌翼付きのロッドを回転させて土と固化材を混合します。

したがって、工法名と説明が食い違っているため、この選択肢も適当ではありません。

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