1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問11 (問題A ユニットb 問6)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問11(問題A ユニットb 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリート用細骨材の品質に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 異なる種類の細骨材を混合して用いる場合の吸水率については、混合後の試料で吸水率を測定し規定に適合すればよい。
  • 異なる種類の細骨材を混合して用いる場合の塩化物量については、混合後の試料で塩化物量を測定し規定に適合すればよい。
  • 砕砂は、粒形判定実積率試験により粒形の良否を判定し、角ばりの程度はできるだけ小さく、細長い粒や扁平な粒の少ないものを選定する。
  • 細骨材中に含まれる多孔質の粒子は、一般に密度が小さく骨材の吸水率が大きいため、コンクリートの耐凍害性を損なう原因となる。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でない記述は、
「異なる種類の細骨材を混合して用いる場合の吸水率については、混合後の試料で吸水率を測定し規定に適合すればよい。」
という内容の選択肢です。

異なる種類の細骨材を混合して使う場合、吸水率は混合後だけを見ればよいわけではなく、混合前の各細骨材についても確認が必要だからです。

選択肢1. 異なる種類の細骨材を混合して用いる場合の吸水率については、混合後の試料で吸水率を測定し規定に適合すればよい。

・JISやレディーミクストコンクリートの指針では、
 吸水率・絶乾密度・安定性・すりへり減量などは、混合前の各骨材ごとに規定に適合していることを確認することになっています。

・異なる種類の細骨材を混ぜるときに、混合後だけを試験して良否を判断すると、
 1種類だけ吸水率が非常に大きい骨材が混じっていても、全体として平均すると基準内に見えてしまうおそれがあります。
 そうすると、実際のコンクリートでは一部に水を多く吸う骨材が偏って、耐久性やひび割れに悪影響を与える可能性があります。

そのため、
「混合後だけ測って規定に適合すればよい」と言い切っている点が不適切です。

選択肢2. 異なる種類の細骨材を混合して用いる場合の塩化物量については、混合後の試料で塩化物量を測定し規定に適合すればよい。

・JISの解説では、異種類の骨材を混合して使用する場合の塩化物量と粒度については、
 「混合前の各骨材の試験結果を合成計算してもよいし、混合後の試料で試験してもよい」とされています。

・つまり、塩化物量については、「混合後の試料で測定して規定に適合しているか確認する」という方法も正しい運用の一つです。

したがって、この記述は試験の考え方と合っています。

選択肢3. 砕砂は、粒形判定実積率試験により粒形の良否を判定し、角ばりの程度はできるだけ小さく、細長い粒や扁平な粒の少ないものを選定する。

・砕砂(砕いた岩を細骨材として用いるもの)は、粒形判定実積率試験によって粒の形の良し悪しを判定します。これはJISに定められた方法です。

・コンクリート用の細骨材として望ましい砕砂は、
 - 角ばりが強すぎない(極端にとがっていない)こと
 - 細長い粒や扁平な粒が少ないこと
 が求められます。

・角が鋭すぎたり細長かったり扁平だったりすると、
 コンクリートのワーカビリティー(練りやすさ・締め固めやすさ)を悪くする原因になります。

そのため、この記述は教科書的な説明と一致しています。

選択肢4. 細骨材中に含まれる多孔質の粒子は、一般に密度が小さく骨材の吸水率が大きいため、コンクリートの耐凍害性を損なう原因となる。

多孔質の粒子とは、中に小さな空隙をたくさん持った軽い粒子のことです。こうした粒子は
 - 一般に密度が小さい
 - 吸水率が大きい(たくさん水を吸う)
 という特徴があります。

・このような粒子が多く含まれていると、
 骨材自体が吸い込んだ水が凍結・融解を繰り返すことで膨張・収縮し、コンクリートが劣化しやすくなります。

・その結果、耐凍害性(凍結融解に対する強さ)が低下する原因になるので、この説明は適切です。

まとめ

現場や試験では、「どの性質は骨材ごとに確認するのか」「どの性質は混合後でよいのか」を区別して覚えることが大切です。
今回は、吸水率を混合後の試料だけで判断してよいとする記述が不適当になる、という点をしっかり押さえておいてください。

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