1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問12 (問題A ユニットb 問7)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問12(問題A ユニットb 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリート用骨材に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • JIS A 5021に規定されるコンクリート用再生粗骨材Hは、吸水率が3.0%以下でなければならない。
  • 高炉スラグ細骨材は、粒度調整等の目的で、細骨材の一部として山砂等の天然細骨材と混合して用いられる場合が多い。
  • 凍結融解の繰返しによる気象作用に対する骨材の安定性を判断するための試験は、硫酸ナトリウムの結晶圧による破壊作用を応用した試験方法により行われる。
  • 砂は、材料分離に対する抵抗性を持たせるため、粘土塊量が2.0%以上のものを用いなければならない。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でないのは、砂の粘土塊量は2.0%以上のものを用いなければならないとしている選択肢です。
粘土塊はできるだけ少ない方がよく、規格でも「上限値」が決められているので、「2.0%以上必要」とする説明は方向が逆です。

選択肢1. JIS A 5021に規定されるコンクリート用再生粗骨材Hは、吸水率が3.0%以下でなければならない。

再生粗骨材Hは、品質の高い再生粗骨材で、普通の骨材に近い性能が求められます。
JIS A 5021では、再生粗骨材Hの吸水率はおおよそ「3.0%以下」と定められており、この記述は基準と合っています。

吸水率が大きい骨材を使うと、コンクリート中の水分バランスが崩れやすく、強度や耐久性に悪影響が出るので、上限値が決められていると理解しておくとよいです。

選択肢2. 高炉スラグ細骨材は、粒度調整等の目的で、細骨材の一部として山砂等の天然細骨材と混合して用いられる場合が多い。

高炉スラグ細骨材は、製鉄の際に出るスラグを砕いてつくる細骨材です。
単独で使うと粒度(粒の大きさの分布)が偏ることがあるため、山砂などの天然細骨材と混ぜて、

-粒度を整える

-ワーカビリティー(締め固めやすさ)を改善する

という使い方がよく行われます。
実務での一般的な扱いと合っているので、適切な記述です。

選択肢3. 凍結融解の繰返しによる気象作用に対する骨材の安定性を判断するための試験は、硫酸ナトリウムの結晶圧による破壊作用を応用した試験方法により行われる。

骨材の凍結融解に対する強さ(耐凍害性)を確認するために、
硫酸ナトリウムによる安定性試験(JIS A 1122)が用いられます。

この試験は、

-硫酸ナトリウム溶液に骨材を浸す・乾燥させる

-これを繰り返して、硫酸ナトリウムの「結晶圧」で骨材を傷める

という方法で、実際の凍結融解で起こる膨張・収縮のような厳しい環境を模擬します。
したがって、この説明は試験の原理を正しく述べています。

選択肢4. 砂は、材料分離に対する抵抗性を持たせるため、粘土塊量が2.0%以上のものを用いなければならない。

この記述が適当でない内容です。

細骨材中の粘土塊は、強度が弱く、水を多く含みやすいため、
・コンクリートの強度低下
・ひび割れや耐久性の低下
などの原因になります。

そのため、規格では「粘土塊は〇%以下」と上限を決めて、できるだけ少ないものを使うよう求めています。

「材料分離を防ぐために粘土塊量を2.0%以上必要とする」という考え方は逆で、
粘土分が多過ぎると、かえって品質低下の要因になります。
したがって、この選択肢の説明は不適当です。

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