1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問13 (問題A ユニットb 問8)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問13(問題A ユニットb 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリート用混和材料に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 膨張材を適切に用いると、コンクリートの乾燥収縮や硬化収縮等に起因するひび割れの発生の低減が期待できる。
  • 石灰石微粉末を用いると、コンクリートの材料分離やブリーディングを抑制する等の効果が期待できる。
  • 高性能AE減水剤を用いると、コンクリート温度や使用材料等の諸条件の変化に対して、ワーカビリティー等が影響を受けにくい傾向がある。
  • 収縮低減材を用いると、乾燥収縮ひずみを低減することが期待できるが、硬化コンクリートの凍結融解抵抗性を低下させる場合があることに留意が必要である。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でないのは、高性能AE減水剤について述べた選択肢です。
高性能AE減水剤は、セメントの種類やコンクリート温度などの条件の影響を受けやすい面があり、ワーカビリティーが変化しやすい材料です。「影響を受けにくい傾向がある」とする説明は逆です。

 

選択肢1. 膨張材を適切に用いると、コンクリートの乾燥収縮や硬化収縮等に起因するひび割れの発生の低減が期待できる。

膨張材は、水和反応で少し膨張する性質を持つ材料です。
コンクリートは硬化するときや乾燥するときに収縮し、その結果ひび割れが入りやすくなります。
そこで膨張材を適切な量で混ぜると、膨張作用によって収縮を一部打ち消し、収縮ひび割れの抑制が期待できます。

「適切に用いるとひび割れの発生を減らせる」という説明は、膨張材の目的と合っています。

選択肢2. 石灰石微粉末を用いると、コンクリートの材料分離やブリーディングを抑制する等の効果が期待できる。

石灰石微粉末は、非常に細かい粉体で、セメントや細骨材のすき間を埋めるように働きます。

その結果、

・モルタル部分がねばりを持ちやすくなる

・粒子同士がまとまりやすくなる

という効果があり、材料分離の抑制ブリーディング(水が上に浮いてくる現象)の低減に役立ちます。

したがって、この説明は石灰石微粉末の一般的な効果と一致しています。

選択肢3. 高性能AE減水剤を用いると、コンクリート温度や使用材料等の諸条件の変化に対して、ワーカビリティー等が影響を受けにくい傾向がある。

高性能AE減水剤(高性能AE減水剤・高性能減水剤など)は、

少ない水量でも高いスランプ(流動性)を得られる・高流動コンクリートなどに使われる

といったメリットがありますが、一方で

セメントの種類・銘柄

混和材の有無(フライアッシュ・高炉スラグなど)

コンクリート温度(外気温)

などの条件によって、スランプの出方やスランプ保持性が大きく変化しやすいという特徴があります。

つまり、条件の変化に対してワーカビリティーが影響を受けやすい材料と言えます。
この選択肢のように「影響を受けにくい傾向がある」と言い切るのは、実際の性質と逆の説明です。

選択肢4. 収縮低減材を用いると、乾燥収縮ひずみを低減することが期待できるが、硬化コンクリートの凍結融解抵抗性を低下させる場合があることに留意が必要である。

収縮低減材は、コンクリート中の水の表面張力などに働きかけて、乾燥収縮を小さくするための混和材料です。
そのため、適切に使うことで乾燥収縮ひずみの低減が期待できます。

一方で、収縮低減材を入れると、

・気泡の性状が変わる

・セメント水和の進み方が変わる

などの影響から、条件によっては凍結融解抵抗性が低下するおそれがあることが指摘されています。
このため、「凍結融解抵抗性の低下に注意が必要」という表現は、注意点として妥当です。

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