1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問14 (問題A ユニットb 問9)
問題文
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問題
1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問14(問題A ユニットb 問9) (訂正依頼・報告はこちら)
- 寒中コンクリートは、保温養生や給熱養生終了後に急に寒気にさらすと、表面にブリーディングが生じるおそれがあるので、適当な方法で保護し表面の急冷を防止する。
- 寒中コンクリートとして施工を行わなければならないのは、施工時の日平均気温が4℃以下になることが予想される場合である。
- 暑中コンクリートでは、コールドジョイントの発生防止のために、減水剤、AE減水剤については遅延形のものを用いる。
- 暑中コンクリートでは、練混ぜ後できるだけ早い時間で打ち込まなければならないことから、練混ぜ開始から打ち終わるまでの時間は、1.5時間以内を原則とする。
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この過去問の解説 (2件)
01
適当でないのは「ブリーディングが生じるおそれがある」としている記述です。
正しくは、保温養生や給熱養生のあとに急に寒気にさらすと、
コンクリート表面に「ひび割れ」が生じるおそれがあります。
この記述が適当でない内容です。
ブリーディングは、打ち込んだ直後のまだ固まっていないコンクリートから、
上の方へ水がにじみ出てくる現象です。
一方、寒中コンクリートで問題になるのは、養生後に急に冷やされることで
コンクリートの表面と内部の温度差が大きくなり、ひび割れが生じることです。
そのため、仕様書などでは
「急に寒気にさらすと表面にひび割れが生じるおそれがあるので、保護して急冷を防ぐ」とされています。
つまり、「ブリーディングのおそれ」としている点が不適当で、
本来は『ひび割れのおそれ』と書くべき内容です。
この記述は適切です。
寒中コンクリートを適用する目安は、土木・道路の共通仕様書などで
「日平均気温が4℃以下になることが予想されるとき」と示されています。
気温が低いとコンクリートの硬化が遅くなり、凍害の危険も高まるため、
保温養生などの特別な対策が必要になります。
この記述も適切です。
暑中コンクリートでは、気温が高く、コンクリートが早く固まりやすい状況です。
固まるのが早すぎると、打継ぎ部分で時間が空き、
上下のコンクリートが一体化しない「コールドジョイント」が起こりやすくなります。
そこで、凝結(固まり始めるまでの時間)を少し遅らせる遅延形の減水剤・AE減水剤を使うと、
十分な時間を確保でき、コールドジョイントの発生を抑えやすくなります。
したがって、「遅延形を用いる」という方針は適切です。
この記述も適切です。
コンクリートは時間がたつほどスランプ(軟らかさ)が低下し、打込みや締固めがしにくくなります。
特に暑中では、この変化が早く進むため、
できるだけ短い時間で打込みを終えることが重要です。
指針類では、「練混ぜ開始から打込み終了までの時間は1.5時間以内を原則」とする
取り扱いが示されており、暑中でもこの目安を守るよう求められています。
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02
寒中コンクリートと暑中コンクリートの施工上の注意点を、四つの記述で並べて適当でないものを探す問題ですね。
気温が下がるとセメントの水和反応が遅くなって凍害のリスクが高まり、気温が上がるとフレッシュ性状が早く変化してコールドジョイントや強度発現のばらつきが心配になります。
両者の対策は方向が逆になりますが、養生・運搬・打込みのキーワードと温度条件の組合せを確認しながら順に当たっていくと、ひとつだけ「現象の名前」を取り違えている記述が浮かんできます。
寒中コンクリートで保温養生や給熱養生を終えるときの注意点は、養生終了の時点で外気との温度差を一気に開けないようにする、というところにあります。
ここで急に寒気にさらすと、表面側だけが先に温度を奪われて内部との温度差が広がり、表面に温度ひずみが生じてひび割れに繋がっていきます。
これが本来の懸念点であって、ブリーディングは練り混ぜ直後から打込み・凝結初期にかけてフレッシュコンクリートの上面に水分が浮いてくる現象なので、養生終了のフェーズで出てくる話ではありません。
記述では現象の名前が「ブリーディング」とすり替わっているため、これが適当でない選択肢に該当します。
寒中コンクリートとして特別な配慮を要するラインは、土木学会のコンクリート標準示方書や道路土工系の仕様書で「日平均気温が4℃以下になることが予想される場合」と整理されています。
このあたりの気温域に入るとセメントの水和速度が落ちて初期強度の発現が遅れ、放置すると凍害を受けるリスクも高くなるため、保温・給熱・養生期間の延長などの対策がセットで求められる、という構造です。
記述の基準値は仕様書に書かれている内容そのままで、適当な内容です。
暑中コンクリートでは、気温と材料温度の高さが相まってセメントの水和が早く進み、スランプが落ちるのも凝結が始まるのも通常より早くなります。
このまま打設すると先に打った層と後に打った層がうまく一体化せず、コールドジョイントが発生しやすくなるため、減水剤やAE減水剤については遅延形を選んで凝結開始までの時間を確保するのが定番の手当てです。
記述の方針は暑中コンクリートの標準的な対策と一致していて、適当な内容です。
暑中コンクリートはスランプロスや凝結が早く進むので、練り混ぜから打ち終わりまでの時間を間延びさせると、打込み性が悪くなったり強度発現にばらつきが出たりします。
このため、JIS A 5308や土木学会のコンクリート標準示方書でも、暑中の時期は練り混ぜ開始から打ち終わりまでを1.5時間以内に収めるのを原則とする、と示されています。
記述の数値も用途もそのままなので、こちらも適当な内容にあたります。
寒中コンクリートの肝は、初期凍害の回避と養生中の温度差管理。
暑中コンクリートの肝は、スランプロスや凝結の早さに合わせた時間管理と遅延形化学混和剤の活用、というふうに、対策の方向は気温帯ごとに変わっていきます。
本問のように「現象の名称」をすり替えてくる引っかけは、寒中・暑中分野ではよく出てくるパターンなので、養生後の急冷で生じるのはひび割れであって、ブリーディングはフレッシュ段階の話、という線引きが見えていると迷いにくくなりますね。
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