1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問15 (問題A ユニットb 問10)
問題文
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問題
1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問15(問題A ユニットb 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
- 勾配のある部位にコンクリートを打ち込む場合、低い位置から順に打ち上げる。
- スラブのコンクリートが壁又は柱のコンクリートと連続している場合には、これらを連続して打ち込むようにする。
- コールドジョイントの発生を防ぐための許容打重ね時間間隔は、外気温が高いほど短くなる。
- 1回の打込み面積が大きく許容打重ね時間間隔の確保が困難な場合には、階段状にコンクリートを打ち込むことが有効である。
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この過去問の解説 (1件)
01
適当でないのは、「スラブのコンクリートが壁又は柱のコンクリートと連続している場合には、これらを連続して打ち込むようにする。」という記述です。
壁や柱とスラブを一体で造ること自体は大切ですが、打込み順序は「壁・柱→沈下がほぼ終わる→スラブ」の順にするのが基本です。連続して同時に打ち込むと不具合が出やすくなります。
この記述は適切です。
スロープや勾配のついた床にコンクリートを打つときは、必ず低い方から高い方へ順番に打ち上げていきます。
高い位置から流し込むと、コンクリートが下へ流れ落ちてしまい、
・粗骨材だけが転がっていく
・モルタル分だけがたまる
といった材料分離が起こりやすくなります。
低い位置から少しずつ打ち上げることで、コンクリート同士がうまく支え合い、均一な品質を保ちやすくなります。
スラブ(床)と壁・柱を一体で設計している場合でも、打込みは同時進行ではなく順番を分けるのが原則です。
一般的な考え方は次のとおりです。
先に壁や柱のコンクリートを打ち込む
その後、壁・柱の沈下がほぼ終わってからスラブのコンクリートを打つ
もし壁・柱とスラブを本当に「同時に連続して」打ち込むと、壁や柱の沈下中にスラブの荷重がかかり、
・スラブとの取り合い部にひび割れが入りやすい
・段差や不陸が生じやすい
といった不具合の原因になります。
そのため、この選択肢のような「連続して一緒に打ち込む」とする書き方は不適切です。
この記述は適切です。
打重ね時間間隔とは、下のコンクリートを打ってから上のコンクリートを打ち重ねるまでの許される時間のことです。
外気温が高いと、コンクリートの硬まりが早く進みます。
早く硬くなってしまうと、後から打ったコンクリートと一体になりにくくなります。
そのため、外気温が高いほど「打ち重ねられる時間」は短く設定する必要があります。
時間を守らないと、境目にコールドジョイント(打ち継ぎ不良)ができ、構造的にも耐久性の面でも問題になります。
この記述は適切です。
広い範囲に一気にコンクリートを打つと、
始めの方に打った部分と、最後に打った部分の打重ね時間間隔が長くなりすぎて、コールドジョイントになりやすくなります。
そこで、階段状(たわら状)に打込み位置をずらしながら進める方法をとることで、
◯隣り合う部分どうしは時間差が小さい◯常に「まだ硬まりきっていないコンクリート」と打ち継げる
といったメリットがあり、コールドジョイントを防ぎやすくなります。
ダムコンクリートなど大量打設でもよく使われる考え方です。
この問題のポイントは、
スラブと壁・柱をどういう順番で打設するか
コールドジョイントを防ぐための打重ね時間と打込み方法
の二つです。
特に、スラブと壁・柱が連続している場合でも「一気に同時に打てばよい」わけではなく、壁・柱の沈下がほぼ終わってからスラブを打つという順序が大事だという点をおさえておくと、類題にも対応しやすくなります。
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