1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問16 (問題A ユニットb 問11)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問16(問題A ユニットb 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋の加工・組立に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 鉄筋を保持するために用いるスペーサの数は必要最小限とし、1m2当たり1個以下を目安に配置する。
  • 重ね継手は、所定の長さを重ね合わせて、直径0.8mm以上の焼なまし鉄線で数箇所緊結する。
  • 鉄筋を組み立ててから長時間経過した場合には、コンクリートを打ち込む前に、付着を害するおそれのある浮き錆等を取り除くものとする。
  • エポキシ樹脂塗装鉄筋は、加工・組立後、塗膜に損傷が生じていないことを確認する。

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この過去問の解説 (2件)

01

適当でないのは、
「鉄筋を保持するために用いるスペーサの数は必要最小限とし、1m2当たり1個以下を目安に配置する。」
という記述です。

スペーサは、鉄筋を正しい位置に保つための部材なので、数をケチるのではなく、たわみやずれが起こらないように十分な数を配置する必要があります。
「必要最小限」「1m²当たり1個以下」という表現は不適切です。

選択肢1. 鉄筋を保持するために用いるスペーサの数は必要最小限とし、1m2当たり1個以下を目安に配置する。

スペーサは、
・鉄筋のかぶり厚さを確保する
・鉄筋の位置や高さがずれないように支える
ために使う、とても重要な部材です。

そのため、現場では
・スラブや梁で鉄筋がたわまないように
・打込みや人の通行で動かないように
十分な数のスペーサを配置することが求められます。

ここで示されているような
「必要最小限」「1m²あたり1個以下」という考え方だと、部位によっては明らかにスペーサが不足し、

・鉄筋が沈み込んでかぶり不足になる
・コンクリート打込み時に配筋が乱れる

などの不具合につながるおそれがあります。

一般的な管理の考え方は、
「必要最小限」ではなく「鉄筋が安定して保持できる十分な数」であり、この選択肢のような表現は不適切です。

選択肢2. 重ね継手は、所定の長さを重ね合わせて、直径0.8mm以上の焼なまし鉄線で数箇所緊結する。

重ね継手は、鉄筋同士を「所定の重ね長さ」だけ重ねてつなぐ方法です。

その際、
・重ねた部分が離れないように
・コンクリート打込み時にずれないように

焼なまし鉄線で数箇所をしっかり緊結することが必要です。
現場では、直径0.8mm程度以上の焼なまし鉄線を使うのが一般的であり、
この記述の内容は実務の取り扱いと合っています。

したがって、この選択肢は適切な説明です。

選択肢3. 鉄筋を組み立ててから長時間経過した場合には、コンクリートを打ち込む前に、付着を害するおそれのある浮き錆等を取り除くものとする。

鉄筋は屋外で長時間放置されると、表面にさびが発生します。

・表面に薄くついた緻密なさびは、一般に付着にあまり悪影響を与えないとされていますが、
浮き錆のようにボロボロとはがれるようなさびは、鉄筋とコンクリートの間の付着力を弱めます。

そのため、コンクリートを打ち込む前に、
付着を害するおそれのある浮き錆や汚れをワイヤブラシなどで除去することが必要です。

この選択肢は、その注意点を述べたもので、内容は適切です。

選択肢4. エポキシ樹脂塗装鉄筋は、加工・組立後、塗膜に損傷が生じていないことを確認する。

エポキシ樹脂塗装鉄筋は、鉄筋の腐食を防ぐために表面を樹脂で被覆した鉄筋です。

曲げ加工や組立作業の際に、工具や他の鉄筋との接触で塗膜がはがれたり傷ついたりすることがあります。

塗膜が傷ついた部分は、そこからさびが進行しやすくなるため、

・加工・組立後に塗膜の損傷がないか確認すること

・損傷があれば補修材などで補修すること

が求められます。
この選択肢は「損傷がないことを確認する」としており、確認の必要性を述べた内容として適切です。

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02

鉄筋の加工・組立に関する四つの記述から、ひとつだけ仕様書の管理水準から外れている記述を見つける問題ですね。

スペーサ・継手・浮き錆・塗装鉄筋と、それぞれ別のトピックを扱っているので、各キーワードに対する標準値や手順を当てはめて読み解くのが流れになります。

スペーサの配置数は数値が示されているので、ここの妥当性を最初にチェックすると、答えの絞り込みが早くなります。

選択肢1. 鉄筋を保持するために用いるスペーサの数は必要最小限とし、1m2当たり1個以下を目安に配置する。

スペーサは、鉄筋のかぶりや配筋位置を打設前後で動かさないために挟み込む部材で、配筋の精度をそのまま左右する役割を担っています。

コンクリート標準示方書の取扱いでは、床版や梁では概ね4個/m²以上、柱や壁では2〜4個/m²程度を目安に配置するのが標準で、部材ごとに「ある程度の密度で置く」ことが前提です。

記述にある「必要最小限」「1m²当たり1個以下」では、打設時の自重や振動でかぶりが確保できなくなる典型例で、配筋ずれによる耐久性低下のリスクが直接出てきます。

方針の方向が仕様書と逆になっているため、これが適当でない選択肢に当たります。

選択肢2. 重ね継手は、所定の長さを重ね合わせて、直径0.8mm以上の焼なまし鉄線で数箇所緊結する。

重ね継手は、所定の重ね長さで2本の鉄筋を並走させて、互いを焼なまし鉄線で緊結することで力を伝える継手です。

標準的な取り扱いでは、直径0.8mm以上の焼なまし鉄線を用いて、継手の両端と中間あたりの数箇所をしっかりとくくる、という運用が示方書類に書かれています。

記述の数値も使用部位もそのままで、適当な内容といえます。

選択肢3. 鉄筋を組み立ててから長時間経過した場合には、コンクリートを打ち込む前に、付着を害するおそれのある浮き錆等を取り除くものとする。

組み立てた鉄筋を屋外で長く置いていると表面に錆が出てきますが、すべての錆が一律に有害というわけではなく、薄く均一にのった黒さびのような緻密な錆は付着への影響が限定的とされています。

ただし、ボロボロと剥がれる浮き錆や、汚れ・油分が付着している場合は、コンクリートと鉄筋の界面の付着力を確実に下げる方向に作用するため、ワイヤブラシなどで除去するのが標準的な手当てです。

記述の中身は、配筋の付着確保に関するコンクリート標準示方書の指針と整合していて、適当な内容です。

選択肢4. エポキシ樹脂塗装鉄筋は、加工・組立後、塗膜に損傷が生じていないことを確認する。

エポキシ樹脂塗装鉄筋は、塩害環境や凍結融解環境に対する防食策として、表面を樹脂で覆って腐食を抑える鉄筋です。

ただし、曲げ加工や運搬・組立時の工具接触で塗膜が傷つくと、その部分から腐食が進行して防食機能が損なわれる流れになります。

そのため、加工後や組立完了後に塗膜の損傷を点検して、見つかった傷は補修材で塞いでおく、というのが標準の運用フローです。

記述の中身は塗装鉄筋の取り扱い手順そのもので、適当な説明にあたります。

まとめ

鉄筋まわりの仕様書ベースの問題では、「数量を絞り込みすぎる方向」が引っかけの定番パターンになります。

スペーサの個数のように、現場での実装感を伴う数値が示されているときは、「本当にそれで配筋を保てるか」を頭の中でシミュレートすると、極端に少ない設定の不自然さが見えてきます。

4個/m²程度を一つの目安として持っておくと、本問のような「1個以下」のような書き方には反射的に違和感が出てくる、という感覚で読んでいくのが楽ですね。

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