1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問17 (問題A ユニットb 問12)
問題文
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問題
1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問17(問題A ユニットb 問12) (訂正依頼・報告はこちら)
- ケーソン基礎は、沈設時に基礎周面の摩擦抵抗を小さくできるよう構造的な配慮が行われることから、永続的な鉛直荷重に対し、原則として基礎底面のみで支持する。
- 摩擦杭基礎は、長期的な鉛直変位について十分検討を行い、周面摩擦力と基礎底面の支持により所要の支持力が得られるように根入れ深さを確保する必要がある。
- 直接基礎の支持層は、砂層及び砂礫層においては十分な強度が、粘性土層では圧密のおそれのない良質な層が、それぞれ必要である。
- 鋼管矢板基礎は、打込み工法、又は中掘り工法による先端支持とし、また井筒部の下端拘束を地盤により期待する構造体であるため、支持層への根入れが必要となる。
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この過去問の解説 (1件)
01
適当でないのは、
「摩擦杭基礎は、長期的な鉛直変位について十分検討を行い、周面摩擦力と基礎底面の支持により所要の支持力が得られるように根入れ深さを確保する必要がある。」という記述です。
摩擦杭基礎は、鉛直荷重をほぼ周面摩擦力だけで負担させる基礎であり、「基礎底面の支持」まで前提にしてしまうと、支持杭基礎の説明に近くなってしまいます。
これは適切な内容です。
ケーソン基礎は、沈めるときに周面摩擦が小さくなるように形状を工夫します。
そのため、設計上は、鉛直荷重は基礎底面の地盤反力で支えるものと考えるのが基本です。
周面摩擦も実際にはありますが、鉛直支持力としてはあまり当てにしない考え方です。
摩擦杭基礎は、その名のとおり
「杭の側面(周面)の摩擦力」で鉛直荷重を支える基礎です。
設計のポイントは、
周面摩擦力だけで必要な支持力が確保できるように、根入れ長さを決めることです。
文中の「周面摩擦力と基礎底面の支持」という書き方だと、
先端支持力もあわせて期待する“支持杭基礎”の説明に近くなってしまいます。
したがって、
「周面摩擦力により所要の支持力を得られるように根入れ深さを確保する」
とするのが適切で、「基礎底面の支持」を含めるのは不適当です。
これは適切な内容です。
砂・砂礫層では、せん断強度が大事なので、十分な強度をもつ層を支持層として選びます。
粘性土層(粘土など)では、長期的な圧密沈下が問題になりやすいため、
圧密による大きな沈下のおそれが少ない良質な層を選ぶ必要があります。
直接基礎では、支持層の強度と沈下特性の両方が重要になる、という考え方に合っています。
これも適切な内容です。
鋼管矢板基礎は、鋼管矢板を円形などに並べて「井筒」のような形にした基礎です。
その支持方法は基本的に支持層に先端を根入れして先端支持とするという考え方です。
同時に、井筒の下端は地盤により拘束されると考えるため、
確実に支持層まで根入れする必要があると説明するのは妥当です。
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