1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問18 (問題A ユニットb 問13)
問題文
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問題
1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問18(問題A ユニットb 問13) (訂正依頼・報告はこちら)
- 現場溶接施工に先立って、継手部の錆、土、油等はワイヤブラシ、グラインダ等を用いて除去し、水分はそのまま残しておく。
- 現場溶接施工に先立って、上杭と下杭の軸線の位置をずらしながら、目違い、ルート間隔等のチェック及び修正を行う。
- 現場溶接継手は、所要の強度、剛性及び形状を有すると共に、施工性にも配慮した構造とするため、一般に半自動溶接法によることが多い。
- 現場溶接完了後の有害な外部傷は、肉眼によって溶接部の割れ、溶け落ち等の有害な欠陥をすべての溶接部について確認し、内部の傷も同様に肉眼で確認する。
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この過去問の解説 (1件)
01
適当なのは、現場溶接継手について、所要の強度・剛性・形状を満たし、施工性にも配慮した構造とするため、一般に半自動溶接法によることが多いと説明している記述です。
鋼管杭の継ぎ目の現場溶接では、品質を安定させながら作業性も確保するために、半自動溶接がよく使われます。
この記述は不適切です。
溶接の前には、錆・土・油だけでなく、水分も完全に除去する必要があります。
水分が残っていると、溶接金属の中に水素が入り込み、割れ(溶接割れ)の原因になります。
そのため、ワイヤブラシやグラインダで清掃するだけでなく、濡れている場合はしっかり乾燥させることが必要です。
この記述も不適切です。
鋼管杭の上下をつなぐときは、上杭と下杭の軸線をできるだけ一直線にそろえることが大切です。
「軸線の位置をずらしながら」という表現は、あえてずらしているように読めるため、杭の芯が合わず、曲がりや偏心の原因になります。
正しくは、軸線がそろうように合わせ込みを行い、その状態で目違い(段差)やルート間隔をチェック・修正する必要があります。
鋼管杭の継手では、
・必要な強度・剛性を確保すること
・断面形状が図面どおりになるようにすること
・現場での作業性(スピードや安定した品質)にも配慮すること
が求められます。
そのため、ワイヤ送給が自動で行われる半自動溶接法(CO₂半自動溶接など)が現場で多く採用されます。
手溶接に比べて、溶接速度が速く、ビード形状や品質をそろえやすいというメリットがあるためです。
この記述は不適切です。
確かに溶接完了後には、肉眼で外観検査を行い、割れ・溶け落ち・アンダーカットなどの外部欠陥を確認します。
しかし、内部の傷(内部欠陥)は肉眼では確認できません。
内部欠陥を調べるには、超音波探傷試験(UT)、放射線透過試験(RT)
などの非破壊検査を用います。
したがって、「内部の傷も肉眼で確認する」という部分が誤りです。
この問題のポイントは、鋼管杭の現場溶接の基本的な管理事項です。
溶接前には、錆・油・土だけでなく水分も除去すること
杭の軸線はずらさずに、一直線にそろえて溶接すること
現場では、品質と施工性の両方を考えて半自動溶接がよく用いられること
溶接後の検査では、外観は目で確認できるが、内部欠陥は非破壊検査が必要なこと
をおさえておくと、類題にも対応しやすくなります。
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