1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問26 (問題A ユニットc 問6)
問題文
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問題
1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問26(問題A ユニットc 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
- 嵩上げや拡幅に用いる堤体材料は、表腹付けには既設堤防より透水性の大きい材料を、裏腹付けには既設堤防より透水性の小さい材料を使用するのが原則である。
- 築堤盛土の施工中は、法面の一部に雨水が集中して流下すると法面浸食の主要因となるため、堤防横断方向に3〜5%程度の勾配を設けながら施工する。
- 既設の堤防に腹付け盛土を行う場合は、新旧法面をなじませるため段切りを行い、一般的にその高さは堤防締固め1層仕上り厚の倍の50〜60cm程度とすることが多い。
- 築堤盛土の締固めは、堤防法線に平行に行うことが望ましく、締固めに際しては締固め幅が重複するように常に留意して施工する。
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この過去問の解説 (2件)
01
適当でないのは、
堤防の嵩上げや拡幅のときに、表腹付けに既設堤防より透水性の大きい材料、裏腹付けに透水性の小さい材料を使うのが原則とする記述です。
実際には、水がかかる側(表側)は透水性の小さい材料、陸側(裏側)は透水性の大きい材料とするのが基本です。
河川堤防では、洪水時に水が当たる側(表側)から水がしみ込みにくくし、反対側(裏側)へは水を抜きやすくすることが大切です。
・表腹付け(川側):水が直接かかるので、既設堤防と同じかそれより透水性の小さい材料を用いて、水の浸透を抑える考え方が基本です。
・裏腹付け(陸側):堤防内部や背後から入った水を抜きやすくするため、既設堤防と同じかそれより透水性の大きい材料を用いることが多いです。
この選択肢は、その関係が逆になっているため、適当ではありません。
施工中の盛土の上面がフラットだと、雨が降ったときに水がたまったり、特定の場所に流れが集中したりして、法面が削られやすくなります。
堤防の横断方向(川側→陸側)に緩い勾配(3〜5%程度)をつけておくと、雨水が一方向にスムーズに流れます。
これにより、法面の一部に雨水が集中することを防ぎ、浸食を抑えることができます。
したがって、この内容は築堤時の雨水処理の考え方と合っています。
既設堤防の横に新しく土をつけ足す「腹付け盛土」の場合、
新旧の境界がまっすぐツルッとした面だと、すべり面になりやすく危険です。
そこで、既設堤防の法面に階段状の段切り(ベンチカット)を設けて、新しい土と既設土をかみ合わせるようにします。
段の高さは、通常の締固め1層仕上がり厚(おおむね25〜30cm)の2層分程度=50〜60cmとするのが一般的です。
この内容は、腹付け盛土の施工方法として妥当です。
盛土の締固めでは、次の点がポイントになります。
・締固め機械(ローラなど)の走行方向を堤防法線(堤の軸方向)に平行とすると、各層が一定方向にそろい、均一な締固めになりやすいです。
・また、隣り合う走行の間に締固めムラができないように、走行幅を少しずつ重ねながら(オーバーラップさせて)締め固めることが必要です。
この記述は、均一な締固めを行うための基本的な考え方を述べています。
この問題のポイントは、河川堤防の盛土施工で大切な
・堤体材料の透水性の考え方(表側は透水性小、裏側は透水性大が基本)
・施工中の雨水処理と法面浸食防止(横断勾配の付け方)
・既設堤防への腹付け時の段切りの必要性と段の高さ
・締固めの走行方向と締固め幅の重ね方
といった実務的なポイントです。
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02
河川堤防の盛土施工に関する四つの記述から、ひとつだけ実務の取扱いと食い違っている記述を選ぶ問題ですね。
堤防は、洪水時に水が当たる表側と、住宅地側の裏側で求められる役割が異なる構造物なので、堤体材料の透水性をどう使い分けるかが重要な判定軸になります。
そのほか、施工中の雨水処理、腹付け盛土の段切り、締固めの走行方向といった工事段階の管理事項を順に当てていけば、選択肢を絞り込めます。
河川堤防の堤体材料は、洪水時に直接水を受ける表腹付け(川側)には水の浸透を抑えたい関係で既設堤防より透水性の小さい材料を、堤体内に入り込んだ水を逃がす役割の裏腹付け(陸側)には既設堤防より透水性の大きい材料を、というのが基本の使い分けです。
表側で水を遮りつつ、裏側で水を抜くという二段構えにすることで、堤防内の浸潤線が高くなるのを抑えて、すべりやパイピングのリスクを下げる構造にしています。
記述では「表腹付けに透水性の大きい材料、裏腹付けに小さい材料」と書かれていて、表裏の透水性が完全に逆向きになっているため、これが適当でない選択肢に当たります。
築堤の途中段階で盛土の天端がフラットなままになっていると、降った雨が局所的にたまったり、特定の場所だけに流れが集まって法面を削っていく原因になります。
これを避けるために、施工中は天端に堤防横断方向で3〜5%程度の緩い勾配を切っておき、雨水を法面に均等に分散させて落とす、というのが定番の管理手順です。
記述の内容は施工要領の標準どおりで、適当な内容に当たります。
既設堤防の側面に新たな盛土を抱かせる腹付け盛土では、既設と新設の境界がツルッとした一枚面になると、その面がそのまますべり面になりかねません。
そこで、既設法面に階段状の段切り(ベンチカット)を設けて、新旧の土を物理的にかみ合わせていく作業を入れます。
段の高さは、堤防締固め1層の仕上がり厚(おおむね25〜30cm)の倍にあたる50〜60cm程度を使うことが多いというのが現場の定石で、記述の数値はその標準そのままです。
方針として違和感のない適当な内容に当たります。
築堤盛土の締固めは、ローラの走行方向を堤防法線(堤の軸方向)に平行に取るのが望ましく、これによって各層の方向が揃って均一な締固めが得られやすくなります。
また、隣り合う走行帯の間に締固めムラが残らないように、走行帯どうしの締固め幅を重ねるオーバーラップを意識するのも基本の手順です。
記述で挙げられている管理項目はそのまま現場の運用手順で、適当な内容に当たります。
河川堤防の盛土施工で問われる管理事項は、堤体材料の透水性の使い分け、施工中の雨水処理、腹付け盛土の段切り、締固めの走行方向の四つに整理できます。
本問のように透水性の関係を扱う記述では、「表側=水を遮るので透水性小」「裏側=水を抜くので透水性大」というセットで方向が決まっているので、ここが逆になっていればその記述が適当でない側になります。
透水性の使い分けは河川工学の基礎中の基礎なので、表裏で迷ったら水の流れる方向と材料の性能をひもづけて思い出していくと判定が早くなりますね。
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