1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問32 (問題A ユニットc 問12)
問題文
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問題
1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問32(問題A ユニットc 問12) (訂正依頼・報告はこちら)
- 盛土路床は、使用する盛土材の性質をよく把握したうえで均一に敷き均し、過転圧による強度低下を招かないように十分に締め固めて仕上げる必要がある。
- 安定処理路床でセメント及びセメント系安定材の散布及び混合に際して粉塵対策を施す必要がある場合には、防塵型の安定材を用いたり、シートを設置する等の対策をとる。
- 路床の置換え工法では、軟弱な原地盤を所定の深さまで掘削し、置換え土と掘削面が付着するよう掘削面を十分にかきほぐしながら施工する。
- 路床を構築後、上層の施工までに相当の期間がある場合には、構築路床面の保護を行うと共に仮排水等を施し、工事用車両の通過による荒れと降雨による軟弱化や流出の防止に配慮する。
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この過去問の解説 (1件)
01
適当でないのは、「路床の置換え工法で、掘削面を十分にかきほぐして、置換え土と掘削面が付着するように施工する」という内容の記述です。
置換え工法では、軟弱な地盤を掘削したあとの底面は、むしろ乱さず、締め固めて安定させた上で良質土を敷きならすのが基本で、わざわざ「かきほぐす」とはしません。
この記述は、盛土路床の基本的な考え方と合っています。
路床は舗装を支える一番下の「土の部分」なので、均一な支持力がとても重要です。
そのため、使う土の粒度や含水比、締め固め特性などをよく把握し、
・薄く均一に敷き均す
・規定の締固め度を満たすように十分転圧する
という施工が求められます。
ただし、同じ場所を何度も強く締め過ぎると、
・粒子がつぶれてしまう
・過度に締まりすぎて逆に脆くなる
などの過転圧による悪影響が出る可能性があります。
したがって、「過転圧による強度低下を招かないように注意しつつ、十分に締め固める」という方向性は適切です。
セメントやセメント系安定材を使う安定処理路床では、材料をまくとき・混合するときに粉じん(粉塵)が飛散しやすいです。
粉じんは、作業員の健康や周辺環境に悪影響を与えるため、対策が必要になります。
対策の例としては、
・防塵型の安定材(粒状やダスト抑制タイプ)を使う
・材料を散布するときにシートを使って飛散を抑える
・必要に応じて散水や防塵マスクの使用 などが挙げられます。
この選択肢の内容は、安定処理の現場で行う粉じん対策として適切です。
ここが誤りです。
置換え工法は、次のような流れで行います。
軟弱な地盤を設計で決めた深さまで掘削する。→掘削底面の軟らかい部分や乱れた部分を取り除き、できるだけ平らで安定した地盤に整える。→その上に良質な置換え土を敷き均し、層ごとに十分締め固める。
ポイントは、
掘削面は、基本的に安定した「受け台」として扱いたいので、わざわざ「かきほぐして」柔らかくすることはしないという点です。
掘削面をかきほぐすと、かえって軟弱な地盤を上に引き出したり、境界面があいまいになって、置換え効果が薄くなる危険があります。
したがって、「置換え土との付着をよくするために掘削面を十分にかきほぐす」という説明は、実際の考え方とは逆であり、適当ではありません。
路床をつくったあと、すぐに路盤や舗装を施工できないことがあります。
その場合、路床そのものが長期間むき出しになるため、次のようなリスクがあります。
工事用車両が何度も通ることで、わだち掘れや乱れが生じる。
雨が降ると、表面がぬかるんで軟弱化したり、土が流れ出したりする。
そこで、
仮舗装・仮砂利敷きなどによる路床面の保護、仮排水路や側溝を設けて雨水を早く排水する工夫
などを行うことが重要です。
この選択肢は、その考え方と一致しており、適切です。
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