1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問34 (問題A ユニットc 問14)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問34(問題A ユニットc 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

道路のアスファルト舗装における基層・表層の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
  • 寒冷期に加熱アスファルト混合物を舗設すると、混合物温度の低下が早く、所定の締固め度を得られにくいため、混合物の運搬中の保温方法を改善するとよい。
  • アスファルト混合物の敷均し作業中に雨が降り始めた場合は、敷均し作業を中止して、敷き均した混合物は雨が降りやむのを待ってから締め固めて仕上げる。
  • 改質アスファルト混合物を舗設する場合は、通常の加熱アスファルト混合物に比べて、より低い温度で舗設を行う場合が多く、特に温度管理に留意して敷き均して締め固める。
  • 二次転圧にタイヤローラを用いる場合は、振動ローラを用いるよりも少ない転圧回数で所定の締固め度が得られるが、転圧速度が速すぎると不陸や小波が発生する。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当なものは「寒冷期に加熱アスファルト混合物を舗設する場合、混合物温度の低下が早く所定の締固め度を得にくいので、運搬中の保温方法を改善するとよい」という内容の選択肢です。
寒い時期はアスファルトがすぐ冷えてしまうため、十分な締固めが難しくなります。そのため、運搬中に温度を下げない工夫が必要になります。

選択肢1. 寒冷期に加熱アスファルト混合物を舗設すると、混合物温度の低下が早く、所定の締固め度を得られにくいため、混合物の運搬中の保温方法を改善するとよい。

寒い時期は外気温が低いため、トラックで運んでいる間や敷き均している間に混合物の温度が急激に下がりやすいです。温度が下がるとアスファルトが硬くなり、ローラで締め固めても十分な密度が得られにくくなります。

そのため、
・荷台をシートで覆う
・保温性の高い車両を使う
・運搬距離や時間を短くする
などの保温対策を強化することが重要になります。この考え方と内容が一致しているので、適切な記述です。

選択肢2. アスファルト混合物の敷均し作業中に雨が降り始めた場合は、敷均し作業を中止して、敷き均した混合物は雨が降りやむのを待ってから締め固めて仕上げる。

この選択肢は誤った記述です。
国土交通省の舗装施工の技術資料では、敷き均し中に雨や雪が降り始めた場合は、作業を中止するとともに、敷き均した混合物は「速やかに」締め固めて仕上げることが示されています。

雨が降りやむのを待っている間に、
・混合物が冷えてしまう
・雨水で表面や基盤が濡れて、付着や締固めが悪くなる
といった問題が生じます。したがって、「雨が止むまで待ってから締め固める」という部分が不適切です。

選択肢3. 改質アスファルト混合物を舗設する場合は、通常の加熱アスファルト混合物に比べて、より低い温度で舗設を行う場合が多く、特に温度管理に留意して敷き均して締め固める。

この選択肢は誤った記述です。
ポリマー改質アスファルト混合物などの改質アスファルト混合物は、通常のストレートアスファルト混合物より高い温度で舗設する必要があるとされています。

理由は、ポリマーが入ることでアスファルトの粘度(ねばり)が高くなり、同じ流動性を得るためには高めの温度が必要になるからです。この選択肢は「より低い温度で舗設を行う場合が多い」としており、逆なので誤りです。

選択肢4. 二次転圧にタイヤローラを用いる場合は、振動ローラを用いるよりも少ない転圧回数で所定の締固め度が得られるが、転圧速度が速すぎると不陸や小波が発生する。

この選択肢は前半が誤りです。
技術資料では、条件が適切な振動ローラを使用する場合、タイヤローラよりも少ない転圧回数で所定の締固め度が得られるとされています。

つまり、「少ない回数で済む」のは振動ローラ側であり、この選択肢はタイヤローラの方が少ない回数でよいと書いているため、内容が逆になっています。
なお、「転圧速度が速すぎると不陸や小波が発生する」という後半部分は、振動ローラに関する注意点としてよく知られている内容です。

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