1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問37 (問題A ユニットc 問17)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問37(問題A ユニットc 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

道路のセットフォーム工法による普通コンクリート舗装の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • コンクリートの受入れは、荷下ろし前に所要のコンクリートが搬入されたか確認することが重要であり、観察と確認の結果、不良なコンクリートの場合は廃棄処分する。
  • 初期養生は、コンクリート版の表面仕上げに引き続き行い、後期養生ができるようになるまでの間、コンクリート表面の乾燥を速めるために行う。
  • 横収縮目地に設ける目地溝は、カッタによる切削時において、コンクリート版に有害な角欠けが生じない範囲内でできるだけ早期に行い、所定の位置に所要の幅及び深さまで垂直に切り込む。
  • コンクリートの敷均しは、敷均し機械を用いて行い、全体ができるだけ均等な密度になるように適切な余盛をつけて行う。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でないのは、
「初期養生は、後期養生ができるようになるまでの間、コンクリート表面の乾燥を速めるために行う」と書いている記述です。

初期養生は、コンクリートを「乾燥させるため」ではなく、「乾燥させないため」に行います。この向きが逆になっている点が誤りです。

 

選択肢1. コンクリートの受入れは、荷下ろし前に所要のコンクリートが搬入されたか確認することが重要であり、観察と確認の結果、不良なコンクリートの場合は廃棄処分する。

セットフォーム工法に限らず、コンクリート舗装工事では、まず「ちゃんとした品質のコンクリートが来ているか」を確認することが重要です。

具体的には、次のような点を確認します。

・スランプ、空気量、単位水量などが規定どおりか
・分離していないか、硬化が進み過ぎていないか、見た目がおかしくないか
・運搬時間が長くなり過ぎていないか など

これらの確認で「不良」と判断されるコンクリートは、そのまま使うと品質不良やひび割れ、はく離の原因になるので、使用せず廃棄とするのが原則です。

この説明は、受入れ検査の考え方として適切です。

選択肢2. 初期養生は、コンクリート版の表面仕上げに引き続き行い、後期養生ができるようになるまでの間、コンクリート表面の乾燥を速めるために行う。

コンクリートは、打設直後から

・表面から水が蒸発しやすい
・内部の水が不足すると、硬化がうまく進まず、ひび割れや強度低下の原因になる

といった性質があります。

そのため初期養生では、

・コンクリートの表面をシートで覆う
・散水する
・養生剤(膜をつくる材料)を吹き付ける

などを行い、「乾燥を防ぐ」「温度変化を緩やかにする」ことを目的とします。

つまり、初期養生の目的は、コンクリート表面の乾燥を遅らせ、水分を保つことや、ひび割れや表面の弱化を防ぐこと

であって、「乾燥を速めるため」ではありません。

この記述は、初期養生の目的を逆に書いてしまっているため、適当ではありません。

選択肢3. 横収縮目地に設ける目地溝は、カッタによる切削時において、コンクリート版に有害な角欠けが生じない範囲内でできるだけ早期に行い、所定の位置に所要の幅及び深さまで垂直に切り込む。

横収縮目地(横方向のひび割れ誘発目地)は、コンクリート版の乾燥収縮や温度変化によるひび割れを、あらかじめ決めた位置に集中させるためのものです。

・打設から時間が経ち過ぎると、目地溝を切る前に自然なひび割れが入ってしまう
・しかし、硬化が十分でないうちに切り始めると、角が欠けたり、表面がはがれたりしやすい

という問題があります。

そこで、

「角欠けなどの有害な損傷が出ない程度に硬化していることを確認しつつ、できるだけ早期に、カッタで所定の幅・深さまで、まっすぐ(垂直)に切削する」という施工方法がとられます。

この記述は、その考え方と一致しており、適切です。

選択肢4. コンクリートの敷均しは、敷均し機械を用いて行い、全体ができるだけ均等な密度になるように適切な余盛をつけて行う。

セットフォーム工法では、型枠の間にコンクリートを流し込み、敷均し機械(スクリードなど)でならしていきます。

このときのポイントは次のとおりです。

・コンクリートを少し「多め」に入れておき(これが余盛)、敷均し機械で余分を削りながら所定の高さにそろえる
・余盛が少なすぎると、部分的にコンクリートが足りず、密度が不均一になりやすい
・余盛が多すぎても作業効率が悪くなるため、適切な量にすることが必要

つまり、「全体が均等な密度になるよう、適切な余盛をつけて機械で敷均す」という方向性は、実務の考え方と合っています。

この記述は妥当です。

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