1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問39 (問題A ユニットc 問19)
問題文
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問題
1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問39(問題A ユニットc 問19) (訂正依頼・報告はこちら)
- ダムコンクリートに用いる骨材の貯蔵においては、安定した表面水率を確保するため、特に細骨材は雨水を避ける上屋を設け、3〜4日以上の水切り時間を確保する。
- 柱状ブロック工法におけるコンクリートのリフト高は、一般的にコンクリート熱放散、打設工程、打継面の処理等を考慮して0.3〜0.5mを標準としている。
- RCD用コンクリートは、ブルドーザによって、一般的に0.75mリフトの場合には3層、1mリフトの場合には4層と薄層に敷き均し、振動ローラで締め固める。
- ダムの越流部、導流部及び減勢部のコンクリートの表面は、流水によるすりへり作用に耐えるように、局部不陸の許容値は、6mm以下を標準として平滑に仕上げる。
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この過去問の解説 (1件)
01
適当でないのは、柱状ブロック工法のリフト高を0.3〜0.5mとしている記述です。
柱状ブロック工法では、コンクリートの一段(リフト)の高さは、一般にもっと大きく約0.75〜2m程度を標準として決めます。0.3〜0.5mは薄すぎる設定です。
ダムコンクリートでは、骨材の表面水率(骨材表面についている水の量)を安定させることがとても大切です。
とくに細骨材(砂)は水を含みやすく、雨が降ると表面水が大きく変わってしまいます。そのため、雨水が直接かからないように上屋(屋根)を掛けて保管し、数日間水切りして、表面水率が安定した状態で使うようにします。
3〜4日程度の水切り期間という考え方は妥当で、コンクリートの品質管理の観点からも適切な内容です。
→この記述は、骨材貯蔵の基本的な考え方として適切です。
柱状ブロック工法は、ダムを縦長のブロック(柱状)に分けて打設していく工法です。
ここでいうリフト高は、「1回の打設で積み上げる高さ」のことです。ダム本体のような大きな構造物では、あまり薄い高さで打設すると、工程が細かくなりすぎて施工効率が悪くなります。
一般的には、コンクリートの発熱(温度ひび割れ)や打設工程、打継ぎ面の処理などを総合的に考え、約0.75〜2m程度のリフト高が標準的な範囲とされています。
この選択肢ではリフト高を0.3〜0.5mとしていますが、これはダム本体としては不自然に低すぎる値です。こうした薄層は、むしろRCD工法の「1層の厚さ」などのイメージに近く、柱状ブロック工法のリフト高とは合いません。
→この記述は、リフト高の値が適切でないため誤りです。
RCD工法は、ローラーで締め固める超硬練りコンクリートを使う工法です。
1回のリフト高(例えば0.75mや1m)を、さらに数層の薄層(たとえば0.75mなら約3層、1mなら約4層)に分けて敷き均し、それぞれを振動ローラで締め固めていきます。このように薄く分けて締め固めることで、密実で強度の高いコンクリートになり、ジャンカなどの欠陥も防ぎやすくなります。
→RCD工法の施工方法として、一般的な説明になっており適切です。
ダムの越流部(洪水が流れ出る部分)や導流部(流れを導く水路)、減勢部(エネルギーを減らす部分)は、常に水が高速で流れたり、乱れたりする場所です。
これらの部位は、流水によるすり減り・洗掘を受けやすいため、できるだけ表面を滑らかにしておく必要があります。
そのため、コンクリート表面の局部的な凹凸(不陸)の許容値を小さく(ここでは6mm以下)に決めて、丁寧に仕上げるのが一般的です。
→流水に耐えるための仕上げ条件として、妥当な内容です。
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