1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問41 (問題A ユニットc 問21)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問41(問題A ユニットc 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

トンネルの山岳工法における覆工コンクリートの施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 覆工コンクリートの打込みは、原則として内空変位の収束前に行うことから、覆工の施工時期を判断するために変位計測の結果を利用する必要がある。
  • 覆工コンクリートの締固めは、コンクリートのワーカビリティーが低下しないうちに、上層と下層が一体となるように行う。
  • 覆工コンクリートの養生は、坑内換気やトンネル貫通後の外気の影響について注意し、一定期間において、コンクリートを適当な温度及び湿度に保つ必要がある。
  • 覆工コンクリートの型枠の取外しは、打ち込んだコンクリートが自重等に耐えられる強度に達した後に行う。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でない記述は、「覆工コンクリートの打込みは、原則として内空変位の収束前に行う」と書いているものです。
山岳トンネルでは、一般に内空変位がほぼ収まってから覆工コンクリートを打設するので、「収束前に行う」という説明は方向が逆です。

選択肢1. 覆工コンクリートの打込みは、原則として内空変位の収束前に行うことから、覆工の施工時期を判断するために変位計測の結果を利用する必要がある。

この記述が適当でない内容です。

山岳工法では、まず吹付けコンクリートやロックボルトなどの一次覆工で地山を支え、そのあとに二次覆工(覆工コンクリート)を打設します。このとき重要なのは、地山の変形(内空変位)がある程度落ち着いてから覆工を打設することです。
 → 変位が大きく残っている段階で覆工を打つと、後からさらに変形して覆工にひび割れなどが生じるおそれがあります。
そのため、変位計測を行い、「変位が収束したかどうか」を確認して施工時期を判断するという考え方が基本です。

したがって、「収束前に行う」としている点が誤りで、ここは収束後に行うのが原則です

選択肢2. 覆工コンクリートの締固めは、コンクリートのワーカビリティーが低下しないうちに、上層と下層が一体となるように行う。

この記述は適切です。

ワーカビリティーとは、コンクリートの扱いやすさ(流動性や締固めやすさ)のことです。
時間がたつとコンクリートは次第に固くなり、層同士のなじみも悪くなってしまいます。
覆工コンクリートでは、打ち継ぎ面で上の層と下の層がよく一体化するように、まだワーカビリティーが残っているうちに振動機などで締め固める必要があります。

選択肢3. 覆工コンクリートの養生は、坑内換気やトンネル貫通後の外気の影響について注意し、一定期間において、コンクリートを適当な温度及び湿度に保つ必要がある。

この記述も適切です。

トンネル内は、換気の状態やトンネル貫通後の外気の流入などにより、温度や湿度が急に変わることがあります。コンクリートは、急激な乾燥や温度変化を受けると、ひび割れや強度不足の原因になります。
そのため養生では、
 ・ 一定期間、温度と湿度を適切な範囲に保つ
 ・ 必要に応じて散水やシート掛けなどを行う
といった管理が重要です。

選択肢4. 覆工コンクリートの型枠の取外しは、打ち込んだコンクリートが自重等に耐えられる強度に達した後に行う。

この記述も適切です。

型枠は、コンクリートがまだ柔らかいうちに形を支える役割を持っています。
十分な強度が出る前に型枠を外すと、
 ・ 自分の重さでたわんだり
 ・ ひび割れやはく離が起きたりするおそれ があります。
そのため、覆工に限らずコンクリート構造物では、「自重や施工時荷重に耐えられる強度」を確認してから型枠を外すのが基本です。

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