1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問42 (問題A ユニットc 問22)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問42(問題A ユニットc 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

海岸堤防の根固工の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 捨石根固工は、一般には表層に所要の質量のものを三個並び以上とし、内部に向かって次第に大きな石を設置する。
  • 捨石根固工を汀線付近に設置する場合は、地盤を掘り込むか、若しくは、天端幅を広くとることにより、海底土砂の吸出しを防止する。
  • 根固工の基礎工は、法先地盤が砂地盤等で波による洗掘や吸出しを受けやすい箇所等では栗石、捨石等で施工する必要がある。
  • 異形ブロック根固工は、異形ブロック間の空隙が大きいため、その下部に空隙の少ない捨石層を設けることが望ましい。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でない記述は、「捨石根固工の内部に向かって次第に大きな石を設置する」としている記述です。
根固工の捨石は、外側の表層に設計で決めた大きさの石を配置し、内部側にはそれより小さい石を用いるのが一般的です。内部に行くほど大きくするという説明は逆になっています。

選択肢1. 捨石根固工は、一般には表層に所要の質量のものを三個並び以上とし、内部に向かって次第に大きな石を設置する。

この記述が適当でない内容です。

根固工の捨石は、波の力を直接受ける外側の表層に、設計で決めた「必要な質量(重さ)」の大きな石を数個厚さで並べて配置するのが基本です。その内側には、表層の石よりも小さい石を用いて、全体として安定するように層を構成します。

問題文では「内部に向かって次第に大きな石を設置する」としており、内部ほど大きな石を使うことになりますが、これは一般的な考え方と逆です。内部側に表層より大きな石を使う合理的な理由はなく、材料の使い方としても不自然です。

 

選択肢2. 捨石根固工を汀線付近に設置する場合は、地盤を掘り込むか、若しくは、天端幅を広くとることにより、海底土砂の吸出しを防止する。

この記述は適切です。

汀線付近は、波の作用で海底の砂が動きやすく、洗掘や吸出しが起こりやすい場所です。

捨石根固工をそのまま海底上に載せると、根固工の端部付近で海底砂が抜けてしまい、不安定になるおそれがあります。

そのため、

◯根固工の一部を地盤に掘り込んで埋め込む

◯もしくは天端幅を広くして荷重を分散し、吸出し・洗掘を起こりにくくする、
といった工夫を行います。

選択肢3. 根固工の基礎工は、法先地盤が砂地盤等で波による洗掘や吸出しを受けやすい箇所等では栗石、捨石等で施工する必要がある。

この記述も適切です。

堤防の法先地盤が砂地盤などのゆるい地盤だと、波の作用で洗掘や吸出しを受けやすくなります。

そのような地盤に直接根固工を載せると、根固工の下の砂が抜けて沈下・崩壊につながるおそれがあります。

そこで、根固工の下に栗石や捨石を敷いて基礎層をつくり、安定した支持層として機能させます。

選択肢4. 異形ブロック根固工は、異形ブロック間の空隙が大きいため、その下部に空隙の少ない捨石層を設けることが望ましい。

この記述も適切です。

異形ブロック(テトラポッドなど)を用いた根固工は、ブロック同士の間に大きな空隙ができます。

その空隙から、下にある海底砂や根固工下の土砂が吸い出されると、ブロックが沈下したり、ずれたりする原因になります。

そのため、異形ブロックの下部に、空隙の少ない捨石層(フィルター層)を設けておくと、下側の土砂が抜け出しにくくなり、全体の安定性が高まります。

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