1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問48 (問題A ユニットc 問28)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問48(問題A ユニットc 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄道(在来線)の営業線及びこれに近接して工事を施工する場合の保安対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 工事用重機械を使用して作業を行う場合は、施工に先立ち、工事現場全般について具体的な事故防止対策を定めた施工計画書を監督員に提出する。
  • 列車見張員は、作業等の責任者及び従事員に対して列車接近の合図が可能な範囲内で、安全が確保できる離れた場所に配置する。
  • き電停止の手続きを行う場合は、その手続きを停電責任者が行うこととし、使用間合、時間、作業範囲、競合作業等について、あらかじめ監督員等と十分に打合せする。
  • 列車の振動や風圧等によって、不安定、危険な状態になるおそれのある工事は、列車の接近時から通過するまでの間、工事用機械を止める等、安全に配慮して施工を継続する。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でない記述は
「列車の振動や風圧等によって、不安定、危険な状態になるおそれのある工事は、列車の接近時から通過するまでの間、工事用機械を止める等、安全に配慮して施工を継続する。」の内容です。
列車通過で危険なおそれがある工事は、通過中は工事を中断するのが基本で、「継続する」としている点が問題です。

選択肢1. 工事用重機械を使用して作業を行う場合は、施工に先立ち、工事現場全般について具体的な事故防止対策を定めた施工計画書を監督員に提出する。

この記述は適切です。
営業線の近くで重機を使う工事は、列車との接触や土砂・資材の倒れ込みなどの大きな事故につながるおそれがあります。そのため、あらかじめ具体的な事故防止対策を盛り込んだ施工計画書を作成し、鉄道側の監督員に提出して協議・承認を得ることが求められます。
→「施工前に計画書を出す」という流れは、安全管理として妥当です。

選択肢2. 列車見張員は、作業等の責任者及び従事員に対して列車接近の合図が可能な範囲内で、安全が確保できる離れた場所に配置する。

この記述も適切です。
列車見張員は、列車の接近を早めに確認し、作業員に合図して退避させる役割があります。
そのため、
 ・ 列車がよく見える位置
 ・ 作業員に確実に合図が届く距離
 ・ 自身も安全に退避できる場所
に配置する必要があります。
 

選択肢3. き電停止の手続きを行う場合は、その手続きを停電責任者が行うこととし、使用間合、時間、作業範囲、競合作業等について、あらかじめ監督員等と十分に打合せする。

この記述も適切です。
電車線には高電圧が流れているため、き電停止の手続きは、停電責任者という担当者が決められた手順で行います。
また、どの時間帯に電気を止めるか(使用間合)、どの範囲で作業するか、 他の工事との重なり(競合作業)の有無
などを事前に鉄道側の監督員等と打合せしておかないと、列車運行や他工区の安全に影響してしまいます。
 

選択肢4. 列車の振動や風圧等によって、不安定、危険な状態になるおそれのある工事は、列車の接近時から通過するまでの間、工事用機械を止める等、安全に配慮して施工を継続する。

この記述が適当でない点を含んでいます。
列車通過時には、車体の振動や風圧で、足場やクレーンブームの揺れ・仮設構造物や積み上げた資材の倒れ込み
などの危険が高くなります。
そのように「不安定、危険なおそれがある工事」の場合は、本来は列車接近〜通過の間は工事自体を中断し、安全を確保する必要があります。
この選択肢では「工事用機械を止める等、安全に配慮して施工を継続する」としていて、危険なおそれがあるのに工事を継続してよいかのような表現になっています。
→危険性が高い状況では「中止・退避」が原則であり、「継続」とするこの記述は不適当です。

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