1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問60 (問題A ユニットd 問6)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問60(問題A ユニットd 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

建設工事の請負契約に関する次の記述のうち、建設業法令上、誤っているものはどれか。
  • 注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない。
  • 注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。
  • 請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合においては、現場代理人の権限に関する事項及び当該現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見書の申出の方法を、書面により注文者に通知しなければならない。
  • 建設工事の注文者は、請負契約の方法を競争入札に付する場合にあっては、工事内容等についてできる限り具体的な内容を契約直前までに提示しなければならない。

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この過去問の解説 (1件)

01

誤っているのは「競争入札に付する場合の工事内容の提示時期」に関する記述です。
建設業法令や標準請負契約約款では、「入札に参加する前に」工事内容を具体的に示す必要があり、「契約直前までに提示」とするのは誤りです。

選択肢1. 注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない。

発注者(注文者)が「通常必要な工期より明らかに短い工期」を押しつけると、安全性の低下や品質不良につながるので、建設業法で禁止されています。
したがって、この内容は適切です。

選択肢2. 注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。

建設業法では、発注者が取引上の優位な立場を利用して「著しく低い請負代金」を押しつけることを禁止しています。
ここでは「原価に満たない金額」と表現されていますが、趣旨としては、通常必要な原価を大きく下回る不当に低い金額を禁止する考え方と一致します。
多少表現は教科書的表現と異なりますが、内容としては大きく外れていないため、この選択肢は適切です。

選択肢3. 請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合においては、現場代理人の権限に関する事項及び当該現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見書の申出の方法を、書面により注文者に通知しなければならない。

建設工事標準請負契約約款の考え方に沿った内容です。
現場代理人は、請負人の現場での代表のような立場なので、

どこまでの権限を持っているのか・現場代理人の対応について注文者が意見や苦情を出すときの方法などを、あらかじめ書面で明らかにすることが求められます。
したがって、この選択肢は適切な内容です。

選択肢4. 建設工事の注文者は、請負契約の方法を競争入札に付する場合にあっては、工事内容等についてできる限り具体的な内容を契約直前までに提示しなければならない。

この記述が誤りです。

競争入札では、本来、入札に参加する施工業者が、事前に工事内容や条件を十分に理解した上で、見積りし入札することが必要です。
そのため、工事内容等の具体的な条件は「契約直前」ではなく、入札に付す時点までに提示されているべきものです。

「契約直前までに提示」という表現だと、入札時点では工事内容があいまいであったり、その後に条件が細かく変わるようにも読み取れてしまい、公平な入札になりません。
 

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