1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問62 (問題A ユニットd 問8)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問62(問題A ユニットd 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

河川管理者以外の者が、河川区域内(高規格堤防特別区域を除く)で工事を行う場合の手続きに関する次の記述のうち、河川法令上、誤っているものはどれか。
  • 河川区域内で一時的に仮設の資材置き場を設置する場合は、河川管理者の許可を受ける必要がある。
  • 河川区域内に設置されている取水施設の機能維持のために取水口付近に堆積した土砂を撤去する場合は、河川管理者の許可を受ける必要がある。
  • 河川区域内の上空を通過する電線や通信ケーブルを設置する場合は、河川管理者の許可を受ける必要がある。
  • 河川区域内の民有地において土地の掘削、盛土など土地の形状を変更する場合は、河川管理者の許可を受ける必要がある。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題で誤っている記述は、
取水施設の機能維持のために取水口付近の土砂を撤去する場合は、河川管理者の許可が必要」としている文章です。

取水施設(用水取入口など)の機能維持のための軽微な土砂撤去については、河川法令では「許可」ではなく、河川管理者との協議が必要な行為として位置づけられています。
このため、「許可を受ける必要がある」と書いてしまうと、手続きの種類を間違えた説明になります。

選択肢1. 河川区域内で一時的に仮設の資材置き場を設置する場合は、河川管理者の許可を受ける必要がある。

河川区域の中に資材置き場をつくることは、その場所を一定期間占有することになります。
河川法では、河川区域内の土地を占用する場合には、原則として河川管理者の許可が必要です。

一時的な仮設であっても「占用」であることに変わりはないので、この説明は適切です。

選択肢2. 河川区域内に設置されている取水施設の機能維持のために取水口付近に堆積した土砂を撤去する場合は、河川管理者の許可を受ける必要がある。

取水施設など、河川法上の許可を受けて設置されている施設の維持管理行為については、一般の占用や形状変更とは扱いが少し異なります。

取水施設の機能を維持するために行う取水口付近の土砂撤去は、
・河川の利用権を持つ者が
・既存施設の機能を維持するために行う行為
として、河川管理者との協議事項とされるのが原則です。

つまり、「協議が必要」であって、「許可が必要」とまでは言いません。
この選択肢は、手続きの種類(許可か協議か)を言い間違えている点が誤りです。

選択肢3. 河川区域内の上空を通過する電線や通信ケーブルを設置する場合は、河川管理者の許可を受ける必要がある。

電線や通信ケーブルを河川の上空に渡す場合も、河川の立体的な空間を利用することになります。
これは「地面に置く」わけではありませんが、河川区域の空間を継続的に使うことになり、河川区域の占用とみなされます。

そのため、河川管理者の許可が必要と考える整理で問題ありませんので、適切な内容です。

選択肢4. 河川区域内の民有地において土地の掘削、盛土など土地の形状を変更する場合は、河川管理者の許可を受ける必要がある。

ここでポイントになるのは、「民有地かどうか」ではなく「河川区域かどうか」です。

たとえ個人や企業の所有地であっても、その土地が河川区域に指定されている場合には土地の掘削や盛土など、地形を変える行為は、河川の流れや洪水時の水位に影響するおそれがあるため、河川法上の許可対象行為になります。

したがって、「民有地だから許可不要」ではなく、「河川区域内なので許可が必要」というこの説明は適切です。

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