1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問73 (問題B ユニットe 問7)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問73(問題B ユニットe 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

特定元方事業者が、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するために講ずべき措置等に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。
  • 特定元方事業者は、すべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、関係請負人に会議の運営を行うよう指導しなければならない。
  • 特定元方事業者は、当該作業がクレーン等安全規則の適用を受けるクレーン等を用いて行うときは、クレーン等の運転についての合図を統一的に定め、これを関係請負人に周知させなければならない。
  • 特定元方事業者は、作業間の連絡及び調整については、随時、特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における連絡及び調整を行わなければならない。
  • 特定元方事業者は、関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行わなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

誤っているのは「特定元方事業者は、すべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、関係請負人に会議の運営を行うよう指導しなければならない。」
という記述です。

協議組織を設置する義務があるのは特定元方事業者でよいのですが、運営を行うのも特定元方事業者側です。問題文のように「関係請負人に会議の運営を行うよう指導する」とはされていないため、この記述が不適当です。

選択肢1. 特定元方事業者は、すべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、関係請負人に会議の運営を行うよう指導しなければならない。

特定元方事業者には、
関係請負人が参加する安全衛生の協議組織を設置すること
その協議組織を主催し、運営すること
が求められます。

この記述は「関係請負人に会議の運営を行うよう指導」としており、運営主体を関係請負人側にしている点が誤りです。

選択肢2. 特定元方事業者は、当該作業がクレーン等安全規則の適用を受けるクレーン等を用いて行うときは、クレーン等の運転についての合図を統一的に定め、これを関係請負人に周知させなければならない。

同じ場所で複数の事業者の労働者がクレーン等を使うとき、合図の方法がバラバラだと事故につながります。
そのため特定元方事業者は、クレーン等の運転合図を統一して定め、関係請負人に周知する義務があります。
この内容は法令の趣旨と一致しており、適切な記述です。

選択肢3. 特定元方事業者は、作業間の連絡及び調整については、随時、特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における連絡及び調整を行わなければならない。

同じ現場で複数業者が作業すると、作業内容がぶつかったり、危険作業が重なったりするおそれがあります。
そのため特定元方事業者は、自らと各関係請負人との連絡・調整だけでなく、関係請負人同士の連絡・調整がうまくいくように図る役割があります。

この記述は適切です。

選択肢4. 特定元方事業者は、関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行わなければならない。

下請け事業者の労働者も同じ現場で働くため、現場全体の安全衛生レベルを上げる必要があります。
そのため特定元方事業者には、関係請負人が行う安全衛生教育について、内容の指導や必要な援助を行う義務があります。
この内容は法令に沿っており、適切な記述です。

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02

特定元方事業者とは建設業などの業種で、複数の事業者が混在して作業を行う現場を統括する元請事業者のことです。労働安全衛生法では特定元方事業者が安全衛生管理を統括的に実施する義務を定めており、第30条に以下のように記載されています。「特定元方事業者等の講ずべき措置 1.協議組織の設置及び運営を行うこと。2.作業間の連絡及び調整を行うこと。3.作業場所を巡視すること。4.関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。5.仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。6.前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項

選択肢1. 特定元方事業者は、すべての関係請負人が参加する協議組織を設置し、関係請負人に会議の運営を行うよう指導しなければならない。

この記述は誤りです。協議組織の設置・運営は特定元方事業者自身の責務です。「関係請負人に会議の運営を行うよう指導しなければならない」のではなく、運営も含めて特定元方事業者が行う必要があります。

 

選択肢2. 特定元方事業者は、当該作業がクレーン等安全規則の適用を受けるクレーン等を用いて行うときは、クレーン等の運転についての合図を統一的に定め、これを関係請負人に周知させなければならない。

この記述は適当です。クレーン等を使用する作業では、運転の合図を統一して関係請負人に周知させることが特定元方事業者の義務です。労働安全衛生法30条の中の「6.前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項」に該当し、詳細は労働安全衛生規則第六百三十九条(クレーン等の運転についての合図の統一)に定められています。労働安全衛生規則で以下のように記載されています。「特定元方事業者は、その労働者である作業従事者及び関係請負人に係る作業従事者の作業が同一の場所において行われる場合において、当該作業がクレーン等(クレーン、移動式クレーン、デリック、簡易リフト又は建設用リフトで、クレーン則の適用を受けるものをいう。以下同じ。)を用いて行うものであるときは、当該クレーン等の運転についての合図を統一的に定め、これを関係請負人に周知させなければならない。」

選択肢3. 特定元方事業者は、作業間の連絡及び調整については、随時、特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における連絡及び調整を行わなければならない。

この記述は適当です。労働安全衛生法第30条のうちの以下記載に該当します。「2.作業間の連絡及び調整を行うこと」。特定元方事業者と関係請負人との間、および関係請負人相互間における連絡・調整を随時行うことは、建設工事における安全管理の基本の1つです。

 

選択肢4. 特定元方事業者は、関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行わなければならない。

この記述は適当です。労働安全衛生法第30条のうちの以下記載に該当します。「4.関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと」。

 

まとめ

特定元方事業者は協議組織の「設置と運営」の双方を担う義務があります。安全衛生管理の統括責任は元請にあるという基本原則を押さえておきましょう。

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