1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問75 (問題B ユニットe 問9)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問75(問題B ユニットe 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

建設工事の労働災害防止対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 足場通路等からの墜落防止措置として、高さ2m以上の作業床設置が困難な箇所で、フルハーネス型の墜落制止用器具を用いて行う作業は、技能講習を受けたものが行うこと。
  • 飛来落下の防止措置として、やむを得ず高さ3m以上の高所から物体を投下する場合には、投下設備を設け、立入禁止区域を設定し、監視員を配置して行うこと。
  • ロープ高所作業による墜落防止措置として、メインロープ及びライフラインは、作業箇所の上方のそれぞれ異なる堅固な支持物に、外れないよう確実に緊結すること。
  • 上下作業は極力避けることとするが、やむを得ず上下作業を行うときは、事前に両者の作業責任者と、場所、内容、時間等をよく調整し、安全確保を図ること。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でない記述は、フルハーネス型の墜落制止用器具を用いる作業は技能講習を受けた者が行うこととしている内容です。
この作業に必要なのは技能講習ではなく特別教育であり、求められている教育の種類を間違えているためです。

選択肢1. 足場通路等からの墜落防止措置として、高さ2m以上の作業床設置が困難な箇所で、フルハーネス型の墜落制止用器具を用いて行う作業は、技能講習を受けたものが行うこと。

この記述が適当でない内容です。

高さ2m以上で作業床を設けることが難しい場所で、フルハーネス型の墜落制止用器具を使って作業する場合、労働安全衛生規則では、事業者は特別教育を実施することとされています。

ここで重要なのは、
技能講習…クレーン運転や足場の組立作業主任者など、一部の危険な作業で必要になる、国家資格レベルの講習
特別教育…事業場内で行う教育で、その作業に必要な知識・方法を教えるもの

という違いがあることです。

選択肢2. 飛来落下の防止措置として、やむを得ず高さ3m以上の高所から物体を投下する場合には、投下設備を設け、立入禁止区域を設定し、監視員を配置して行うこと。

この記述は適切な内容です。

高いところから物を落とすと、下にいる人に当たって大きなけがにつながるおそれがあります。
そのため、やむを得ず高さ3m以上から物を投下する場合には、次のような対策が必要です。

投下設備(シュート、ホッパーなど)を設け、物が決められたルートを通って落ちるようにすること。
・物が落ちてくるおそれのある範囲を立入禁止区域として区切ること。
・人が入っていないか、周囲の安全を確認する監視員を配置すること。

選択肢3. ロープ高所作業による墜落防止措置として、メインロープ及びライフラインは、作業箇所の上方のそれぞれ異なる堅固な支持物に、外れないよう確実に緊結すること。

この記述も適切な内容です。

ロープ高所作業とは、ロープを使って体を支えながら行う高所作業のことです。このときは、次の2本のロープを使うのが基本です。

メインロープ…作業中の体重を支えるロープ
ライフライン(補助ロープ)…万一メインロープが切れたときなどに、墜落を防ぐためのロープ

安全のため、それぞれを別々の堅固な支持物(しっかり固定された構造物など)に、作業箇所の上方に、外れないよう確実に結ぶことが必要です。一つの支持物に両方のロープをまとめてかけてしまうと、その支持物が壊れたときに、両方のロープがいっしょにダメになり、墜落につながってしまいます。

選択肢4. 上下作業は極力避けることとするが、やむを得ず上下作業を行うときは、事前に両者の作業責任者と、場所、内容、時間等をよく調整し、安全確保を図ること。

この記述も適切な内容です。

上下作業とは、上の階や高い位置での作業と、その下での作業が同時に行われている状態のことです。
上から工具や材料が落ちると、下で作業している人に当たる危険があるため、上下作業はできるだけ避けるべき作業形態です。

しかし、工期や工事の流れによって、どうしても上下作業を避けられない場合があります。
そのようなときには、

・どこで(場所)・どんな作業(内容)を・いつ行うのか(時間)

などを、それぞれの作業の責任者同士で事前によく調整し、危険が重ならないように計画することが重要です。

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