1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問76 (問題B ユニットe 問10)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問76(問題B ユニットe 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

型枠支保工の組立や安全作業等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 型枠支保工は、コンクリートの打設方法に応じた堅固な構造とし、組立図に従って組立てること。
  • 型枠支保工及び型枠は、コンクリート打設作業前に点検し、不備な箇所は作業前に補修しておくこと。
  • 型枠支保工の支柱の継手は、重ね継手又は差込み継手とし、鋼材はボルト、クランプ等の金具を用いて緊結すること。
  • 型枠支保工は支柱の沈下、滑動を防止するため、必要に応じ敷砂・敷板の使用、コンクリート基礎の打設、根がらみの取付け等の措置を行うこと。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でない記述は、「型枠支保工の支柱の継手は、重ね継手又は差込み継手とし…」としている内容です。
労働安全衛生規則では、支柱の継手は重ね継手ではなく、突合せ継手又は差込み継手と定められており、趣旨と反対のことを書いているためです。

選択肢1. 型枠支保工は、コンクリートの打設方法に応じた堅固な構造とし、組立図に従って組立てること。

この記述は適切な内容です。

型枠支保工は、型枠と中のコンクリートを支えるとても重要な仮設構造物です。
そのため、
・どのような順番・方法でコンクリートを流し込むか
・どれくらいの荷重がかかるか
などを考えた上で、十分に丈夫な構造にすることが必要です。

また、労働安全衛生規則では、支柱やはりの配置・接合方法・寸法などを書いた組立図を作成し、その図に従って組み立てることが求められています。

選択肢2. 型枠支保工及び型枠は、コンクリート打設作業前に点検し、不備な箇所は作業前に補修しておくこと。

この記述も適切な内容です。

コンクリートを打設するときは、型枠支保工や型枠に急に大きな力がかかるため、少しの不備でも倒壊などの重大な災害につながるおそれがあります。そのため、労働安全衛生規則では、コンクリート打設作業を始める前に、型枠支保工や型枠を点検し、異常があれば補修することが定められています。
さらに、打設中に異常が見つかったときには、作業を中止するなどの措置も必要とされています。

選択肢3. 型枠支保工の支柱の継手は、重ね継手又は差込み継手とし、鋼材はボルト、クランプ等の金具を用いて緊結すること。

この記述が誤っている内容です。

労働安全衛生規則では、型枠支保工について、次のように定めています。

・支柱の継手は、突合せ継手又は差込み継手とすること
・鋼材と鋼材との接続部や交差部は、ボルトやクランプなどの金具でしっかり締め付けること

ここで大事なのは、支柱の継手に「重ね継手」を使うことは、むしろ禁止されているという点です。解釈例規でも、第3号は重ね合わせ継手を禁止する趣旨であることが明記されています。

したがって、
「差込み継手」「鋼材をボルトやクランプで緊結する」部分も正しい
一方で、
「支柱の継手は、重ね継手又は差込み継手とする」という部分が法令と食い違っているため、この選択肢は誤りになります。

選択肢4. 型枠支保工は支柱の沈下、滑動を防止するため、必要に応じ敷砂・敷板の使用、コンクリート基礎の打設、根がらみの取付け等の措置を行うこと。

この記述は適切な内容です。

型枠支保工が倒れたり傾いたりする原因として、支柱が地面にめり込むなどの沈下・支柱の脚が横方向にずれる滑動
といったものがあります。

労働安全衛生規則では、型枠支保工について、次のような措置を求めています。

・沈下防止のために、敷角の使用・コンクリートによる基礎の打設・くいの打込みなどを行う
・滑動防止のために、支柱の脚部を固定し、根がらみを取り付ける

選択肢には「敷砂・敷板」「コンクリート基礎」「根がらみの取付け」などが挙げられており、いずれも沈下や滑動を防ぐ具体的な方法です。

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