1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問83 (問題B ユニットe 問17)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問83(問題B ユニットe 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

建設工事に伴う水質汚濁対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 建設工事に伴って発生する濁水に対して処理が必要になる場合には、工事に先立って経済的で効果的な濁水処理施設を設置しなければならない。
  • 建設工事に伴って発生する濁水に対して処理が必要になる場合には、濁水の放流水域や排水基準に関する法規制、濁水の性質等をあらかじめ調査、予測する必要がある。
  • 切土面や盛土面の濁水防止対策として、シート養生、法面侵食防止剤の散布、種子やコンクリート吹付、永久緑化等をできるだけ早期に行う。
  • 濁水は、切土面や盛土面の表流水として発生することが多いことから、他の条件が許す限りできるだけ切土面や盛土面の面積が大きくなるよう計画する。

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この過去問の解説 (1件)

01

「濁水は、切土面や盛土面の表流水として発生することが多いことから、他の条件が許す限りできるだけ切土面や盛土面の面積が大きくなるよう計画する。」が適当でない選択肢です。切土面や盛土面の面積は、他の条件が許す限りできるだけ小さくなるよう計画する必要があり、「大きくする」のは濁水対策として逆効果だからです。

選択肢1. 建設工事に伴って発生する濁水に対して処理が必要になる場合には、工事に先立って経済的で効果的な濁水処理施設を設置しなければならない。

この記述は適切な内容です。

トンネル工事、河川工事、造成工事などでは、濁水(泥や細かい土砂を含んだ水)が発生することがあります。
濁水がそのまま河川などに流れると、水質汚濁や生態系への悪影響につながるため、沈殿池や濁水処理装置などの処理施設を事前に計画して設置することが必要です。また、その際には、経済的であり、かつ十分な処理効果が得られる施設にすることが求められます。

選択肢2. 建設工事に伴って発生する濁水に対して処理が必要になる場合には、濁水の放流水域や排水基準に関する法規制、濁水の性質等をあらかじめ調査、予測する必要がある。

この記述も適切な内容です。

濁水をどこに流すのか、その先に河川・湖沼・海域・農業用水・上水道の取水口などがあるかどうかによって、求められる水質基準は変わります。また、水質汚濁防止法や各自治体の条例などで排水基準が決められていることが多く、これを守る必要があります。
さらに、濁水のpH、濁度、浮遊物質量(SS)、含まれる成分などの性質によって必要な処理方法が変わるため、事前に調査・予測しておくことが重要です。

選択肢3. 切土面や盛土面の濁水防止対策として、シート養生、法面侵食防止剤の散布、種子やコンクリート吹付、永久緑化等をできるだけ早期に行う。

この記述も適切な内容です。

切土面や盛土面の法面は、雨が降ると土砂が流れ出して濁水が発生しやすい場所です。
そのため、
 防水・保護のためのシート養生
 表面の土が流れないようにする法面侵食防止剤の散布
 早く植物を根付かせる種子吹付や植生工
 必要に応じたコンクリート吹付永久緑化
などを、早い段階で行うことが濁水発生の抑制に役立ちます。「できるだけ早期に行う」という点も、雨期などを考えると非常に重要です。

選択肢4. 濁水は、切土面や盛土面の表流水として発生することが多いことから、他の条件が許す限りできるだけ切土面や盛土面の面積が大きくなるよう計画する。

この記述が適当でない内容です。

濁水は、
 雨が切土面や盛土面に降る → 表面の土砂が流れ出す → 泥を含んだ水として下流へ流れる
という形で発生します。
したがって、水質汚濁を防ぐためには、切土面や盛土面の面積はできるだけ小さくすることが望ましいです。
一度に造成する範囲を小さく区切る、工事の進行に合わせて順次法面保護を行うなど、露出した土の面積と期間を減らすことが基本的な対策です。

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