1級土木施工管理技士 過去問
令和7年度
問93 (施工管理法(応用能力) 問7)
問題文
① 実施工程曲線がバナナ曲線の上方限界を超えたときには、工程が進み過ぎているので、必要以上に大型機械を入れている等、不経済となっていないかを検討する必要がある。
② 実施工程曲線がバナナ曲線の下方限界を下回るときには、どうしても工程が遅れることになり、突貫工事が不可避となるので施工計画を根本的に再検討する必要がある。
③ 予定工程曲線が限度内に進行を維持しながらも、下方限界に近づいたときには、直ちに対策をとる必要がある。
④ 予定工程曲線が許容限界内にあるときは、S形工程曲線の中期における正常工程部分を、許容限界曲線に平行な理想工程曲線よりできるだけ緩勾配となるよう、合理的に工程を調整する必要がある。
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問題
1級土木施工管理技士試験 令和7年度 問93(施工管理法(応用能力) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
① 実施工程曲線がバナナ曲線の上方限界を超えたときには、工程が進み過ぎているので、必要以上に大型機械を入れている等、不経済となっていないかを検討する必要がある。
② 実施工程曲線がバナナ曲線の下方限界を下回るときには、どうしても工程が遅れることになり、突貫工事が不可避となるので施工計画を根本的に再検討する必要がある。
③ 予定工程曲線が限度内に進行を維持しながらも、下方限界に近づいたときには、直ちに対策をとる必要がある。
④ 予定工程曲線が許容限界内にあるときは、S形工程曲線の中期における正常工程部分を、許容限界曲線に平行な理想工程曲線よりできるだけ緩勾配となるよう、合理的に工程を調整する必要がある。
- ①②
- ②③
- ①③④
- ①②③④
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この過去問の解説 (2件)
01
4つの記述はすべて適切なので、「①②③④の、4つすべてを挙げている組合せ」が適当です。
バナナ曲線では、予定工程・実施工程・上限線・下限線の関係を見て「進み過ぎ」「遅れ過ぎ」「適正な進み方」を判断し、状況に応じて手を打つことが大切です。
①について
バナナ曲線の上方限界線より上側に実績が出ているときは、予定よりかなり早く進んでいる状態です。
早く進むこと自体は一見よさそうですが、人員や機械を入れ過ぎて原価が増えている可能性があります。
そのため、「大型機械を入れ過ぎていないか」「職人数が多すぎないか」などをチェックし、ムダなコストが出ていないか検討するという考え方は適切です。
→「進み過ぎ=いいこと」と決めつけず、【原価面の不経済】に注意するというポイントを押さえた記述です。
②について
下方限界線は、「ここまで遅れたら危険」というラインです。
実績がこの線より下にあると、許容できる遅れを大きく超えた状態で、現在のやり方のままでは工期内完成がほぼ見込めません。
工期を守るには、突貫工事(人員増強・残業・機械増など)や工程計画の組み直しが必要になります。
→下限線を【下回った時点】では、【小さな手直しでは追いつかない段階】に入っている、と押さえておくとよいです。
③について
ここは実務上は「実施工程曲線」で考える場面ですが、言いたいことは次の通りです。
まだ下方限界線は割っていないが、かなり近づいている状態は、「今のペースのままだと危ない」サインです。
この段階で何もしないと、次に紹介したように下限線を下回って突貫工事が必要な状況に陥るおそれがあります。
→限度内にあるうちに、早めに対策(人員増、機械の増強、工程の組み替えなど)をとるべきだという考え方は適切です。
④について
少し言い回しが難しいので、かみ砕いて説明します。
理想工程曲線は、「工期を通して一定のペースで工事が進む」と仮定した直線のイメージです。
しかし実際の工事では、着工直後と完成直前は【段取りや後片付け】が多く、真ん中の期間に作業量が集中しがちです。
そこでS字カーブの【中期部分(作業が集中する時期)】の勾配を、理想直線より【少し緩やかにする】ように工程を組むと、
・一時的な人員・機械の極端な集中を避けられる
・日々の作業量を平準化できる
といったメリットがあります。
→そのため、「中期の勾配を緩やかにするように合理的に調整する」という考え方は適切です。
簡単にいうと、【忙しい時期だけを山のように高くしないで、できるだけならしてあげる】というイメージです。
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02
工程管理曲線(バナナ曲線)とは縦軸に出来高累計(%)、横軸に工期をとった出来高累計曲線(Sカーブ)に、上方許容限界曲線と下方許容限界曲線を加えたものです。両限界曲線に挟まれた領域がバナナのような形になることから、この名で呼ばれます。実施工程曲線がこのバナナの内側に入っていれば工程は許容範囲内、外れていれば異常と判断します。
記述①は適当な記述です。実施工程曲線が上方限界を超えた場合、工程が予定より進み過ぎている状態です。工程が予定よりも進んでいる場合は、予定以上の大型機械や過剰な人員を投入している可能性があり、不経済な施工になっていないか検討する必要があります。工程や原価に無理・無駄がないかを確認し、必要なら工程を緩めます。
記述②は適当な記述です。実施工程曲線が下方限界を下回った場合は、このままでは工期に間に合わず、突貫工事が避けられません。突貫工事は原価の急増と品質低下を招くため、施工計画そのものを根本的に再検討する必要があります。工程・人員・機械の配置、施工方法の変更などを含めた抜本的な見直しが求められます。
記述③は適当な記述です。予定工程曲線が限界内にあっても下方限界に接近しているときは、遅延に転じる危険が高い状態です。限界を割ってから動いたのでは手遅れになるため、直ちに対策を講じる必要があります。「限界内だから問題ない」と放置しないのがポイントです。
記述④は適当な記述です。「S形工程曲線の中期における正常工程部分」とは工程中期のSカーブの勾配が強くなる時期を指します。この時期は出来高の上がる割合が大きく、工事の繁忙期となります。なるべく工事の作業量を平準化することは、人員配置等が安定するためより良い施工管理につながります。「予定工程曲線が許容限界内にある」=「工程に余裕がある」のであれば、工事の作業量を平準化することが望ましいです。「S形工程曲線中期における正常工程部分」を「許容限界曲線に平行=緩勾配」とすることで工程調整を行うのは適切な内容です。
上方限界の超過=「良いこと」ではなく「不経済の疑い」がある点に注意しましょう。また作業量の平準化は工事の経済性にメリットがありますが、あくまで予定の範囲内で行うものである点は覚えておきましょう。
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