1級土木施工管理技士 過去問
令和8年度
問39 (専門土木 問19)

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問題

1級土木施工管理技士試験 令和8年度 問39(専門土木 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

下図のような重力式コンクリートダムで各部位のコンクリートの配合区分と要求される品質に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
問題文の画像
  • 外部コンクリートは、所要の水密性、すりへり作用に対する抵抗性や凍結融解作用に対する抵抗性が要求される。
  • 内部コンクリートは、水圧等の作用を自重で支える機能を持ち、所要の単位容積質量と化学的侵食に対する抵抗性が要求され、発熱量が小さく施工性に優れていることが必要である。
  • 構造用コンクリートは、鉄筋コンクリートとしての強度、鉄筋や埋設構造物との付着性、鉄筋や型枠等の狭隘部への施工性に優れていることが必要である。
  • 着岩コンクリートは、岩盤との付着性及び不陸のある岩盤に対しても容易に打ち込めて一体性を確保できることが要求される。

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この過去問の解説 (1件)

01

重力式コンクリートダムとは、ダム本体の重さを利用して、水圧などの力に耐える構造物です。

ダムのコンクリートは、使用する場所によって必要な性質が異なるため、外部コンクリート、内部コンクリート、構造用コンクリート、着岩コンクリートなどに分けられます。

選択肢1. 外部コンクリートは、所要の水密性、すりへり作用に対する抵抗性や凍結融解作用に対する抵抗性が要求される。

適切です。

外部コンクリートは、ダムの表面や、水・空気に接する部分に使用されるコンクリートです。

図では、Aの部分に当たります。

ダムの外側は、貯水池の水や流れる水、雨、気温の変化などの影響を直接受けます。

 

そのため、次のような性質が求められます。

・水密性:コンクリートの内部に水が入り込みにくい性質です。

・すりへり抵抗性:流れる水や、水と一緒に運ばれてくる砂や石によって表面が削られにくい性質です。

・凍結融解抵抗性:コンクリート内部の水が凍ったり溶けたりすることによって、ひび割れや劣化が生じにくい性質です。

 

特に、寒冷地では、水の凍結と融解が繰り返されるため、凍結融解に対する抵抗性が重要になります。

このように、外部コンクリートには、水や気温の変化などに対して、長期間劣化しにくいことが求められます。

選択肢2. 内部コンクリートは、水圧等の作用を自重で支える機能を持ち、所要の単位容積質量と化学的侵食に対する抵抗性が要求され、発熱量が小さく施工性に優れていることが必要である。

不適切です。

内部コンクリートは、ダム本体の内部に使用されるコンクリートです。

図では、Bの部分に当たります。

重力式コンクリートダムは、ダム本体の重さによって水圧などの力に抵抗します。

そのため、内部コンクリートには、十分な重さを確保するための単位容積質量と、ダムを安全に支えるための圧縮強度が求められます。

単位容積質量とは、一定の体積当たりの重さのことです。

また、ダムは大量のコンクリートを使用するため、セメントと水が反応するときに発生する熱が内部にたまりやすくなります。

この熱を水和熱といいます。

水和熱によってコンクリート内部の温度が上がり、その後冷えると、温度差によるひび割れが生じるおそれがあります。

そのため、内部コンクリートには、発熱量が小さく、温度によるひび割れが生じにくいことも重要です。

さらに、大量のコンクリートを効率よく施工するため、施工性にも優れている必要があります。

一方、化学的侵食とは、水などに含まれる化学物質によって、コンクリートが徐々に劣化する現象です。

内部コンクリートは、通常、外部の水などに直接接する部分ではないため、化学的侵食に対する抵抗性は、一般的に要求される品質には含まれません。

選択肢3. 構造用コンクリートは、鉄筋コンクリートとしての強度、鉄筋や埋設構造物との付着性、鉄筋や型枠等の狭隘部への施工性に優れていることが必要である。

適切です。

構造用コンクリートは、ダムの中に設けられる通路や設備など、鉄筋や埋設構造物を含む部分に使用されるコンクリートです。

図では、Cの部分に当たります。

構造用コンクリートには、鉄筋コンクリートとして十分な強度が求められます。

鉄筋コンクリートとは、コンクリートの中に鉄筋を入れ、互いの長所を生かして強度を高めた構造のことです。

また、鉄筋とコンクリートがしっかり一体となって働くためには、鉄筋との付着性が重要になります。

さらに、鉄筋や型枠などが密集している狭い部分にも、コンクリートを十分に行き渡らせる必要があります。

このような狭い部分を狭隘部(きょうあいぶ)といいます。

狭隘部では、コンクリートが十分に行き渡らないと、内部に空洞ができたり、鉄筋の周囲にすき間が残ったりするおそれがあります。

そのため、構造用コンクリートには、十分な強度と付着性に加えて、狭い部分にも確実に充填できる施工性が求められます。

選択肢4. 着岩コンクリートは、岩盤との付着性及び不陸のある岩盤に対しても容易に打ち込めて一体性を確保できることが要求される。

適切です。

着岩コンクリートは、ダムの基礎となる岩盤に直接接する部分に使用されるコンクリートです。

図では、Dの部分に当たります。

ダムは大きな水圧や自重を受けるため、ダム本体と基礎岩盤がしっかり一体となっている必要があります。

しかし、自然の岩盤には凹凸があり、表面が完全に平らになっているわけではありません。

このような凹凸を不陸(ふりく)といいます。

着岩コンクリートを施工する際には、岩盤の凹凸部分にもコンクリートを十分に行き渡らせ、すき間が生じないようにすることが重要です。

また、岩盤との付着が不十分だと、ダム本体と岩盤の間に弱い部分ができるおそれがあります。

そのため、着岩コンクリートには、岩盤との優れた付着性と、凹凸のある部分にも確実に打ち込める施工性が求められます。

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